2015年11月アーカイブ

[映画出演情報]『フリーキッチン』

以前出演した映画『フリーキッチン』が、11月28日より渋谷ユーロスペースにて、2週間限定でレイトショー上映(21:10-)されます。

なかなか衝撃的な内容ですが、随所にちりばめられたコメディにニヤリ。
わたくし、イヤーな感じの父親役でございます。
どうぞご覧くださいな。


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福満しげゆきの短編漫画「娘味」を実写映画化し、カニバリズムをベースに描いたホラーテイストのブラックコメディ。

母親と2人で暮らす高校生のミツオ。
幼い頃に母が殺した父と愛人を食して以来、食卓には人間の肉を使った料理が当たり前のように並ぶようになった。
ミツオの知らないうちに人を捕まえ、浴槽で手際よく「料理」をする母。その肉を食べただけで性別や年齢までわかるようになってしまったミツオ。
そんなミツオがペットショップの店員カナに惹かれはじめるのだが......。

監督は本作が劇場作品デビューとなる中村研太郎。


「この原作のイメージの再現率の高さはなんだ!!」と驚きましたし!
原作の矛盾や荒いところをカチッと完璧に埋めてくれていますし!
そして「なんであんな変な原作を完璧に映画化してくれんだ!? この監督さんは何を考えているんだ!?」と不安にもなりました!!
原作者 福満 しげゆき


恐ろしくて愛らしい...
何だこの感覚は!!
非常な日常のリアリティが巧みに描かれている
ああ、もうお肉食べれない... 
俳優 斎藤 工


母の歪んだ愛。ペットショップガールとの純愛。淡々と描かれる、二つの愛の交錯が発する異様な熱気。
性を越えた、愛の食物連鎖! ニヤリと笑いつつ、恐るべし。
映画評論家 塩田 時敏


ひんやりとした空気感の中、ペットショップガールとの淡い恋がとてもやさしくただのカニバリズム映画ではない
何とも不思議な作品でした。コンクリートジャングル版『食人族』!
禁断の多数決(ミュージシャン) ほうのきかずなり


まるでお隣さんの出来事のよう。
誰しもが持ちうる人間の病理と暗闇を、なにがなんでも爽やかに描ききった中村監督に一票!
俳優 仁科 貴



 

[舞台出演情報]箱庭円舞曲 第二十二楽章『もっと美人だった』

MU『少年は銃を抱く』、ごはん部『ごはんと宇宙』に続き、2015年3本目の舞台になります。
おそらく30代最後の舞台になるのでは、と。
ひさびさに立つザ・スズナリの舞台も大変楽しみであります。

みなさま、ぜひ観にいらしてくださいませ。





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【脚本・演出】
古川貴義

【キャスト】
ザンヨウコ
和知龍範
牛水里美(黒色綺譚カナリア派)
うじすけ
辻沢綾香(双数姉妹)
白勢未生
岡田一博
山崎カズユキ(ECHOES)
安藤理樹(PLAT-formance)
川口雅子
笠原千尋

【公演日程】
2015年11月4日(水)〜11月9日(月)

11月4日(水)19:30◎
11月5日(木)14:00◎
11月5日(木)19:30
11月6日(金)15:00★
11月6日(金)19:30
11月7日(土)14:00
11月7日(土)19:00
11月8日(日)14:00
11月9日(月)18:00

◎の回は、前半割引
★の回は、箱庭円舞曲 旗揚げ15周年記念 特別公演『もっと男前だった』(主演:古川貴義)を上演
 (『もっと美人だった』は上演されません)

※開場は開演の30分前、受付開始および当日券の販売は開演の60分前です。


【会場】
ザ・スズナリ
〒155-0031 東京都世田谷区北沢1−45−15
 TEL:03(3469)0511

【料金】
前売 3,800円 / 当日4,300円(全席指定)
◎の回は、前半割引 前売:3,300円 / 当日3,800円
一般前売発売:2015年9月26日(土)10:00

★11月6日(金)15:00 の特別公演『もっと男前だった』は別料金(前売 2,200円/当日2,700円)
劇団取り扱いのみ(自由席)

【チケット予約フォーム】

【チケット取扱・問い合わせ】
箱庭円舞曲
Tel:080-3435-3746


【スタッフ】
脚本・演出:古川貴義
舞台美術:袴田長武(ハカマ団) 照明:吉村愛子(Fantasista?ish.)
音響:岡田 悠 音楽:modestock 舞台監督:鳥養友美
衣装:中西瑞美(ひなぎく) 演出助手:木村恵美子(アマヤドリ)
宣伝美術:Box-Garden House Web:小林タクシー(ZOKKY) 記録写真:鏡田伸幸
制作:林みく(Karte) 当日運営:新居朋子 企画製作:箱庭円舞曲

協力:黒色綺譚カナリア派 双数姉妹 PLAT-formance SoundCube
   クリオネ イマジネイション フォセット・コンシェルジュ FORREAL リベルタ
   インパクトワン アスタリスク ECHOES オフィスモノリス


【あらすじ】
---- 鐘の音がする。

町会議員だった夫は不祥事で議員辞職。
生まれ育った町にも居場所が無くなり、逃げるようにこの町に越してきた。
しかし、夫の不祥事は既に日本中が知るところとなっており、この新天地でも、 3日もせぬうちに、後ろ指さされる存在となってしまった。家族全員が。 それでも妻は懸命に、近隣住民とコミュニケーションを取ろうと試みる。
昔美人だった彼女には、ある秘策があった。

---- 鐘は、いったいどこから聴こえてくるのか。

この町には、寺など存在しないはずなのに。


【Introduction】
こんなはずじゃなかった。

もっと尊敬される大人になって、
もっと素敵な人と出会って、
もっと素晴らしい人生を謳歌して、
いるはずだった。
どこで間違えたのだろう。

幼い頃、わたしには夢があった。
将来、自分の家から見えるあの線路に新しい駅を作りたい。この小さな田舎町の片隅に人が溢れ、広がる田畑はデパートや遊園地に生まれ変わる。
ゆくゆくは、東京に匹敵する大都会になるだろう。

小学校、中学校、高校、たぶん大学時代まで、色々な夢を持っていた。
どんどん自分が洗練されて、みんなからモテモテで、仕事にも困らず、自分のやりたいことだけをして生活し、幸せな家庭を築き、縁側でお茶を飲みながら穏やかな老後を迎える。

不況、不祥事、犯罪、政治不信。弱い者いじめとディスコミュニケーション。
世界はいつも絶望に包まれていたけれど、それは身近だけど遠い話で、
少なくとも自分には、明るい未来しか訪れないと、そう、根拠もなく信じていた。

あれから30年以上過ぎた。
実家の近くには新駅などできていない。人が増えるどころか、過疎化の一途を辿っている。
最寄りのスーパーは潰れた。浅はかな夢は社会という現実に小指で打ち砕かれた。
自分に無関係だと思っていた絶望達から、今日も耳打ちされた。
「あなたはずっと、この中で泳いでいただけなんだよ」と。

時折、村上春樹の「35歳問題」が頭をよぎる。
「できたかもしれない過去(≒後悔)」と「できるかもしれない未来(≒希望)」を比較すると、前者の件数の方が確実に多い。

それでも、わたしは生きている。
あの頃の夢や希望は叶わなかった。尊敬されてもいないし、素敵な人と出会えてもいない。お世辞にも素晴らしい人生とは言えないかもしれない。今の私は美しくないかもしれない。
それでも、わたしは生きている。
それでも、わたしは生きていく。
これがわたしにとって、正しい選択だったのだ。誰が何と言おうと。

そんな風に強がる元・美人の話を、僕は聞き捨てた。


箱庭円舞曲 第二十二楽章
「もっと美人だった」

 

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