阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ


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夜、『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』を観に下北沢本多劇場へ。

まず、内容の想像がつかないこのタイトル。
よくわからなくて長いタイトルって好きだな。
以前所属してたベターポーヅで『ビール樽が熊の毛皮を着込んで火薬で心臓をふくらませています』て芝居をやったことがあった。
内容とタイトル、ほとんど関係なかったけど。
お客さんも「ビールで熊がどうのこうの」とか、なかなか覚えられなかったけど。


赤堀雅秋さん脚本×河原雅彦さん演出という、もう胸騒ぎしかしない組み合わせに、心おどらせ劇場へ向かう。
腹がへって集中できないのも困るので、カレーパン買ってロビーで食べて。

明度は低いけどカラフルな、ザラッとした肌ざわりの立体的な舞台。
生々しかったな。ああいう日常のちょっとすぐそばにある狂気みたいな空気感。

なんだろう、非常に胸がゾワゾワする。


演じるキャストもとても素晴らしい。
市川しんぺーさん・加藤啓さん・吉本菜穂子さん等、大好きな人たちは「今回はどんなの見せてくれるの?」と、ワクワクのハードルもつい高めになるのだけど、そこを軽やかに飛び越えてくる。かっこいいなぁ。
今回はじめて拝見する人たちも多かったけど、素敵でした。
それぞれに当てられたフォーカスを、きっちり見せてくれるというか。初日の勢いにのりつつ、丁寧に放出している印象。


なんだかハラハラした舞台観てたらおなかすいて、終わったあとマジックスパイスに吸い込まれてしまった。チキンの天空、チーズとかき揚げトッピングで。
ひと口食べた瞬間、そういえば開演前にカレーパン食ったばっかりじゃねえか、と思い出した。

でもなんだか、スパイス摂取したくなったのす。
あの舞台。


9月30日(日)まで、下北沢本多劇場にて。
河原さん×園子温監督のアフタートークとかもあるみたいですよ。それ、観たいなー! 


 
YAMAZAKI Kazuyuki (2012年9月21日 23:42)