かっこいいトンカツ


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お友だちの林家きく麿師匠が、とんかつ屋さんで落語会をするというので、こりゃ行かないと!と楽しみにしていたのだけれど、残念ながらもう満席になってしまったということで泣く泣く断念。
しかし気分はすっかりとんかつモードになってしまっていたので、どこかいい店ないかなと検索し、新橋から銀座までホテホテ歩いて「梅林」へ。

ウワサには聞いていたけどはじめて入る、老舗の名店。
つい最近久住昌之さんの『ひとり家飲み 通い呑み』を再読していて、「とんかつdeビール」を真似したいと思っていたところ。


まず考え方として、定食を、「コース」と考えよう。
とんかつ定食を、フランス料理のフルコースと思いたまえ。
肉料理で、前菜(お新香)も、サラダ(キャベツ)も、スープ(みそ汁)も、ボリュームのある野菜料理(ごはん)もついている。

必ず生ビールでなく瓶ビールを頼む。なぜならこのビールは、ビールでありながら、スパークリングワインのフルボトル、と思いたいからだ。
思い込みが大事だ。思い込みがあなたの人生を豊かにする。


さすが『かっこいいスキヤキ』『孤独のグルメ』の久住さん。
「とんかつはまず最初のひと切れは塩で、次は醤油、最後にソースと変化をつけて食べる」だの「肉をふた切れ残したところでキャベツをおかわり」だの、他人からみたらどうでもいいようなダンドリや作法がとても楽しく、ついマネしてみたくなるのですね。

しっかしこの梅林が。
さすがに美味しかった。

さっくり揚がってジューシーなロースの旨味。脂が甘い。
そして美味しいとんかつ屋さんは大概ごはんが美味しいなと思うのだけど、ここも抜群。
適度にお米のひと粒ひと粒がわかる、お米に対する愛情がビンビン伝わる炊き加減が素晴らしい。
付け合わせのキャベツも、シャッキリみずみずしく、とても丁寧な千切り具合。
ごはんもキャベツもそりゃ当然おかわりだ。
最初のひと口で笑っちゃったし、食べ終わるのが切なくなるようなひと皿。


ああ。
とんかつ、うまいよな。
いまこうして思い出してるだけでまた食べたくなってるよ。

いろんなとんかつ屋を訪ね歩いては報告しあう「とんかつ部」でも結成しようかな。
カモン、ジョイナス!


 

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