はぐれさらばが"じゃあね"といった


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三鷹市芸術文化センター・星のホールに行って、ピチチ5結成10周年記念公演『はぐれさらばが"じゃあね"といった』を観てまいりましたよ。
直前まで予定が立たなかったので、急きょ当日券で。


「まぁ俺が教科書に載るまでにまだ十数年はかかるからな」

静岡県三島市を舞台に、己の未来を知っている文豪と先の見えない凡人達がすれ違っては絡み合う。
誰かが郷愁でもって振り返る「あの頃は大変で」という生活の枠の中で、まだ生きている人間がいる。

過去にするなともがく凡人達を、天才が振り落としていく残酷物語。


「太宰が好きな人はもちろん、嫌いな人でも楽しめる作品にすることをお約束します。また"読書"ではなく、"観劇"でしか体験できないものをお見せすることもお約束します。さらには小金井市や国分寺市ではなく、三鷹市で公演することもお約束しますので、安心して三鷹市芸術文化センター・星のホールまでお越しください。」
福原充則


福原さんの作品はいくつか拝見しているけれど、ピチチ5としての公演を観るのははじめて。
以前舞台でご一緒した菅原永二さん・野間口徹さん・植田裕一さん・広澤草ちゃんをはじめ、もうこれは面白くないはずがないだろう、という豪華な顔ぶれに期待値は高まりますわナ。

「太宰治作品をモチーフにした演劇」と銘打った公演。
いろいろな文豪たちがあらわれます。

つくづく、人だねえ。
軽やかで深い、人間くささのあふれるドラマに胸をゆさぶられる。
ああ、人だねえ。
菅原さん、艶っぽかった。

そして劇場に入ってみたら、大胆な舞台の組み方をしていて驚く。
『青十字』のときにお世話になった、劇場の森元さんに「こんなにいろいろな使い方のできる劇場なんですね」と話すと「『青十字』のころはそれほどでもなかったけど、最近は普通の舞台の組み方をするところのほうが少なくなったくらいです」とのこと。

あそこのアレとか、すごかったな。
おもしろかったよ。
しばらくボンヤリ思いだしそうだ。

そしてこの夏、浴衣を着ようと思いました。野間口さんみたいな着くずし方したいのです。
あれ、どう着たらいいんだろ。


 

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