ばあちゃんに会いに

金曜日。
夜中に姉ちゃんから「長野のばあちゃん危篤。日曜に佐久に行くけど仕事休める?」というメールが。
ちょうどBUDOKANで誕生祝いをしてもらってるところだったので、すぐには状況を確認できなかったけれど、いつもの飾り気のない姉の文体にうろたえる。

マジか。
危篤?
マジかよ。

いつもチャキチャキしている印象のばあちゃんだったが、ときどき会いに行ってる母と姉からは、最近あまり元気がないという話は聞いていた。
もう90をすぎている。
このタイミングで会えなかったら、一生悔やむ。

日曜日はARENAのランチに入っていたので、メンバーの連絡網LINEで代打をお願いする。
同じ長野出身のカツオちゃんがすぐさま「わかった......... 引きうけよう.........」ゴルゴ13のスタンプを送ってきてくれたときは、鼻の奥がツンとしたよ。


日曜日。
ちょっと早めに起きて東京駅へ。長野新幹線に乗って佐久平まで。
いつものクセで、駅弁といっしょに缶ビールを開けそうになったけれど、さすがに控える。
わりとあっという間に新幹線は着いて、駅まで迎えに来てくれた姉と父に事情を聞く。

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佐久は昨日から降った雪で、一面の冬景色。
去年のお正月以来に行くばあちゃんの家。居間にベッドが置かれていて、そこで横になっていた。
会うなり「まあ、大きくなって......」と、顔をしわくちゃにして笑うばあちゃん。
サイズはあんまりかわってないけどね。


自力で寝返りをうつことすらままならず、ひとりでトイレにも行けないので、ヘルパーの人がときどき来てくれたり、近所に住む叔母さんと母が交代で世話をしているとのことだったけれど、幸い意識ははっきりしている。
もう会話もできないくらいの状態を覚悟していたので、少しホッとする。


今年は正月に帰省しそびれて、家族と会うのもひさしぶり。
お茶を飲みながら、最近の仕事のはなしとか、パンがとても好評だということとか。
ばあちゃんもニコニコしながら聞いている。


よかった、よかったよ。

とりあえず今夜はばあちゃんの家に泊めてもらうことに。
父と姉は夜には車で新潟に帰るというので、その前にみんなで晩ごはんを食べようということになり、台所に立つ。
よっしゃ、出張酒房だ。
酒呑むのは自分だけだけど。


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【本日のおしながき】
□ほうれん草と塩こぶとツナの和え物
□白菜豚バラ重ね蒸し煮
□炒り卵としらすの卵とじ
□バジル塩麹チキン(by母)
□きんかん甘露煮(by母)
□昆布と大豆煮(by姉)

ばあちゃんに手料理をふるまうのははじめてのこと。
「ほうれん草と塩こぶはなんとなくわかるけど、ツナってのはまた気がきいてるねえ」と喜んでくれる。

幸せなことだよ。
父と姉があわただしく帰って行ったあと、ばあちゃんの寝顔見ながら長野の地酒をちびちびと晩酌。


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月曜日。
昨日とはうってかわって、スコンと抜ける青空。
朝、訪問介護をしてくれるヘルパーさんたちが来て、とりあえず検査をしてもらうために病院へ。
そのまま叔母さんと母も病院へ付き添うということで、ひとり家にいても仕方がないので、ドタバタのなかお別れ。
タクシーで駅まで行き、新幹線で東京に戻る。


のちに母からもらったメールで「第一腰椎の圧迫骨折で3−4週間の入院になりそう」「とりあえず医療につなげられて一安心」とのこと。
せめて痛みがおさまりますように。


ばあちゃん、また来るよ。
いつでも料理作るよ。
 

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