さよなら宇田川町 朗読作品集「手」


「さよなら宇田川町」が、戻ってきた。

泉光典さんが中心となり、同じ事務所の仲間たちといっしょに、2018年の春に舞台をやろうということで立ち上げたユニット。

この新型コロナウィルス影響下の日々のなか、なにかリモートでもできる作品づくりはないかということで、泉さんが動きはじめたのが5月はじめくらいのことだったか。

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いっしょに舞台を作った河西裕介さん(Straw&Berry)に脚本と演出を依頼して、書き下ろしの作品を朗読するという企画に、ハマカワフミエさん・葛堂里奈さん(ブルドッキングヘッドロック)という素敵な顔ぶれが参加。
ZOOMやLINEを活用しながらオンラインで稽古をくりかえし、iPhoneで録音→整音をしてもらい、泉さんが撮影した写真とあわせて編集。
「これ、普通に芝居の稽古やるのといっしょだね」と、なかなかシビれる日々でした。


手のひらのうえにそっと載せ、優しいあたたかみを感じたくなるような作品に仕上がりました。
どうぞご覧くださいませ。


そしてこの企画はまた続いてゆきます。
よろしければYouTube「さよなら宇田川町」チャンネル登録くださいませ。


さよなら宇田川町 朗読作品集
「手」

[作・演出]河西 裕介(Straw&Berry)

[声の出演]
ハマカワ フミエ
/葛堂 里奈/
山崎 カズユキ/
泉 光典

[整音]
高橋 玄

[写真・編集・企画]
泉 光典

[協力]
フォセット・コンシェルジュ/
バウムアンドクーヘン/
ブルドッキングヘッドロック/
エコーズ



その名はチャーハン

我が家に猫のチャーハンが来たのが、2019年5月19日のこと。


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ペットショップで値段のつけられないような仔猫たちを預かっている施設で見つけてきた、生後半年くらいのサビ柄のアメリカンショートヘアーの女の子。


カルテには赤いマジックで「出っ歯」と書かれてた。

まったく気にならないというか、言われてもわからないような感じなのですが。



最初に家に招きいれたときは、キャリーバッグから全く出てこず、警戒レベルMAXの状態。

1枚目の写真は、まさに家に来たばかりに撮ったもの。今見ると相当怯えてるなと思います。


家を開けているときや夜中にこっそりごはんを食べ、それ以外は部屋の隅やベッドの下から様子をうかがっている日々が続く。

元々の施設ではトイレのしつけもできていたのに、トイレではないところでおしっこをしたりするのもストレスからなのか。

あまりの馴染まなさから「もう猫カフェに戻してあげたほうが幸せなのでは......」と不安にもなる日々。


ほんの少しずつ距離が近くなってきた3週間目くらいのある朝、そっと腰のあたりに手をのばしてみたら「もっと......もっとこねてもいいぞ」と言わんばかりにすりよってきまして。


なにがきっかけだったのかはわからないけど、きもちが伝わったのか、観念したのか。


今でも抱っこされるのと爪を切られるのはかなり抵抗するものの、すっかり甘えてくるようになりました。

たまに家に友だちが来ても、あまり人見知りすることもなく戯れてきます。



とてもか細い、消え入りそうな声で鳴き。

ちょっと運動神経が鈍いところがあるのか、以前キャットタワーの上からずり落ちて以来、うしろむきにソッと降りるようになり。

猫砂をいろいろ試してはみたもののどれも気に入らず、トイレはペットシーツで。

どんな猫でも夢中になると思っていたチャオチュールには、そこまで食いつかず。

食卓にのぼってきたりもするけれど、人間の食べてるものには興味を示さず。

「世界ネコ歩き」など、猫が出ている番組を夢中になって見て。

ビビリと気高さのあいだを行ったり来たりしながら、ゴロゴロ寝たりカリカリ食べたりする毎日。

右手と左手の柄が違って、右手はクリームパンみたいなんです。


そのチャーミングなところを挙げたらきりがない。

本当に我が家にやってきてくれてよかったなと、ただただ健やかでいてくれろと思うのです。



「12人の優しい日本人を読む会」

4月29日のことだったかと。
Twitterのタイムラインに、近藤芳正さんのこんなツイートが流れてきた。



 このたび、三谷幸喜氏の傑作会議コメディ『12人の優しい日本人』を、特別に許可を得てリモートで読み合わせ、それをYouTube Liveで生配信する会を開催することになりました。

出演は1992年東京サンシャインボーイズでの上演版のオリジナルキャストを中心に、吉田羊、Prayers Studioの妻鹿ありか、渡部朋彦を加えた豪華メンバーでお届けします。

演出は三谷幸喜フリークの若手演出家・アガリスクエンターテイメントの冨坂友。

「#StayHome」「#家ですごそう」な状況の5月6日、ぜひご自宅でお楽しみください!


マジかよ......!?

東京サンシャインボーイズのオリジナルキャストが集まったということがまず驚き。
このメンツの顔合わせが見られる機会なんて、そうそうないぞ。
それも無料生配信って。

そして屁理屈シチュエーションコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントの冨坂さんが演出というのもまた胸の熱くなるポイント。

小劇場界隈の仲間たちがこのニュースにザワついていた。

アーカイブもしばらく残るということではあるけれど、これはオンタイムで観ねばでしょう、と画面の前に正座して待機。

まだご覧になっていない方は、まずは観ていただきたい。



東京サンシャインボーイズの舞台版は残念ながら観てはいないけれど、中原俊監督の映画版を大学生のころにはじめて観て、衝撃的な面白さにその後何度も観た。
緻密なストーリーの展開に唸らされ、12人の陪審員たちの個性にグッときたのですが、なかでも陪審員12号役を演じた加藤善博さんの、ちょっとキザで胡散臭いんだけど人間味あふれる人物像がとても好きだったのです。

20代なかばくらいのころに、友だちが働いている中目黒のバーに行ったとき、その加藤さんとたまたまカウンターの隣になったことがある。
もうずいぶん前の話なのでおぼろげな記憶ではあるが、友だちに紹介してもらい「陪審員12号の役がすごく好きなんです」と伝えたら喜んでくださり、まだ年端もいかない若造と気さくにお酒を酌み交わしてくださった。

その後しばらくして、自殺で亡くなったというニュースを読んだのは2007年のことだった。
まだ48歳だったという。

この読み合わせを観て、映画のシーンが頭のなかにたちのぼり、加藤さんの姿や台詞回しが浮かんだ。
自分の目指す・あこがれる演技スタイルのなかに加藤さんがいるんだな、ということをふと思った。
飄々としてとらえどころがないけど、ぶれない芯があって艶っぽい、みたいな。



しかし、つくづく贅沢な企画であったな。
相島一之さんの熱量や宮地雅子さんとのやりとり、西村まさ彦さんの渋さと軽やかさなどに痺れた。
オンタイムで15,000人もの人たちが観ていたとか。
YouTubeのチャットのスピード感など見ていたら、エンターテイメントの歴史に残る事件に立ち会った感がありました。
あれを観て「劇場に行ってみたい」という人が増えたのであれば、本当に素敵なことだと思う。

このコロナウィルスの影響下、舞台や映画が観られないフラストレーションに加え、エンターテイメント業界全体の危機的な状況と、それに声をあげる人たちに対する理不尽な風当たりの強さに心がクサクサする日々のなか、本当に胸が熱くなった。


演劇を、映画を楽しみたい/楽しませたいというきもちを、すり減らせてはならぬ。

サバイブしていこう。


Chapter One: STRANGER THINGS

このステイホームの日々のなか、遅ればせながらNETFLIXに加入しまして、という日記です。

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家のテレビのリモコンに、直接つながるボタンがあったりするのにまだ契約しておりませんで。
Huluには入ってるのだけど、NETFLIXオリジナルコンテンツで気になるのがたくさんあるので、いよいよ入会してみました。


まず最初に観ようと思っていたのが、いろんな人からの評判を聞いてずっと気になっていた「ストレンジャー・シングス 未知の世界」

姿を消した少年、人目を忍び行われる数々の実験、破壊的な超常現象、突然現れた少女。すべての不可解な謎をつなぐのは、小さな町に隠された恐ろしい秘密。

これまでハマった海外ドラマで「ブレイキング・バッド」「ゲーム オブ スローンズ」などは、序盤はなかなか世界観に入り込めなかったけど途中からグイグイ引き込まれて、という感じだったのですが、このドラマは違ったね。
第1話からもう思いっきりわしづかみにされて、結局土日月の3日間でシーズン1〜3を一気に観ました。

これといってネタバレということもないのですけど、まだ未見であまり情報を入れたくないタイプの方は以下飛ばしてくださいませ。


↓↓↓


ものがたりは1983年、12歳の少年が失踪したところから始まります。

音楽・ファッションなど、1980年代のポップカルチャーがベースにあるのですが、随所に散りばめられているいろんな映画作品に対するオマージュというか、熱すぎる映画愛にいちいちくすぐられるんすよね。
いまパッと思い出すところだけで

「グーニーズ」
「E.T.」
「未知との遭遇」
「エイリアン」
「スタンド・バイ・ミー」
「シャイニング」
「マッドマックス」
「ゴーストバスターズ」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
「ターミネーター」
「ジュラシックパーク」
「ネバーエンディングストーリー」

......挙げたらきりがないというか、一度観ただけでは気づかないようなシーンや、自分の知らない映画ももちろんたくさんあるとは思うのですが、どれもこれも世代的にドンピシャで。
「あそこのシーンはあの映画のアレですよね」みたいな話で延々5時間くらい話せるワ。

こちらのサイトに、以下のようなリンクがあったので転載。

※ちなみに、どこをどう「オマージュっている」のか、もっとわかりやすく知りたい!という人向けには、こちらの「検証ビデオ」もおススメ。シーズン1の該当シーンとその元ネタを、隣同士に配置した「スーパーカット編集」で対比しているので、一目瞭然でわかる。ただし、若干のネタバレも含まれるので、最低でもシーズン1を観終わっていない人は、くれぐれもご注意を。

登場人物のひとりひとりのキャラクターもよかったなぁ。
メインのキャストたちはもちろんなんだけど、放送部顧問の先生とか、ゲームセンター店員の男の子とか、新聞社の記者とか、揃いも揃ってスゲエいい顔してるんですよ。
日本版でリメイクしたとき(してほしくないけど)は、ホッパー署長の部下のメガネ警察官役やりたいです。

シーズン4を心待ちにしてるんですけど、このコロナ騒動の影響で撮影が中断しているとのことで、どうなるのでしょう。
キッズたちももうどんどん大人になっちゃってるからなぁ。ウィルもマイクも、1→3ですげえ背がのびたよね。


ところで、こんなつぶやきをしたらTwitterとFacebookでいろんなオススメが集まりました。


みんな観てますなァ。
もう予告編とあらすじ見てるだけでずいぶん時間がつぶれます。
教えてもらったのを片っぱしからマイリストに追加していき、この外出自粛生活もしばらくは安泰だ。

 

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