南房総緊急現場検証

なんだかすっかりイベントのあったときにしか更新しなくなっちゃったなぁ、このブログ。
といっても、またイベントがらみなんですけど。
筆圧みたいなのがひさしぶりでわからなくなっちゃって、ちょいと長めになりましたが、どうぞおヒマなときにでもお読みください。


皿の上警察の捜査会議が、3ヶ月ぶりに今週の金曜日に開催される運びとなりまして。
ただいま絶賛準備中なのです。


月曜日。
打ち合わせでもしようと思って皆に予定を聞いてみたところ、メンバーの泉さんが「食材仕入れに海釣りに行くんだけど、山ちゃんも行く?」と。
おお、そりゃおもしろそうだということで同行することにしまして。
同じくメンバーで鑑識課の寺井氏と、婦人警官の山田くんといっしょに、南房総の海に「緊急現場検証」に行ってまいりました。


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わたくし、生まれてはじめての海釣りなのだけど、泉さんはずいぶん慣れていて、すべて段取りを組んでくれまして。
まずは夜中の3時に家の近くまでレンタカーで迎えに来てくれて、車で千葉の海まで向かう。
途中でエサやらなんやらを買い込み、6時すぎくらいに港に到着したころにはすっかり朝の空気に。

ひととおり準備してきてくれた釣り竿に仕掛けをつけてもらい、簡単に竿の振り方のレクチャーを受ける。
慣れてないもので、まァおぼつかないですよ。


そして7時ころにお迎えのボートが来て、沖に浮かんだ8畳分くらいのイカダに乗り込む。
簡易トイレがひとつあるだけでほかには何もない、イカダ。
帰りのボートが迎えにくるのは夕方16時。
ということで、延々9時間ただひたすら釣りつづけました。


いろんな食物を粉末状にしたエサをいろいろ混ぜ合わせ、そこに海水を加えてよくこね、手で丸く固めたエサ団子をポチャンポチャンとイカダの周りに落とすと、海のなかでほぐれて広がり魚がどんどん寄ってくるので、そこに小エビをつけた釣り針を垂らして獲物がかかるのをただひたすら待つ、という。

食いついたんだけど引き上げる途中で逃げられてしまったり、なかなか難しいのだけど、はじめて釣れたときの喜びったら。

こりゃあ、楽しいワ。

最初は釣れた魚を針から外すのもおっかなびっくりな感じだったのですが、やっているうちにだんだん慣れてきた。
雨も降らず、風もなくて海も非常に穏やかだったのはよいけれど、さえぎるものが何もない海の上はひたすら日射しとのたたかいでした。
熱中症にならないように、こまめに水分を補給しつつ。

はじめのころは比較的みんないい調子で釣っていたのが、なぜか昼ころになったらパッタリ釣れなくなってくる。
どうやら海水の温度が高くなると魚もあまり動かなくなるようで。

序盤は「なんだよこのシマダイちっちぇな、ブローチかよ」と、すぐリリースしちゃった小魚でさえ、ひさしぶりに釣れると愛おしく思えるような。

しまいにはエサも尽き「この最後の小エビでなんとか大物を......」と念じたけれどもダメでした。
「もうボチボチ片づけますか」と荷物をまとめ、まだまだ釣り足りない気持ちと、灼熱の9時間を乗り切ったランナーズハイみたいな高揚感の入り交じった心持ちで帰りの舟に乗りました。


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日に焼けると真っ赤になって火傷みたいになるので、顔や手には日焼け止めをなんとなく塗っていたが、気にしてなかった足元が思い切り日焼けしてしまい。
サンダルのストラップと足首まで履いていたスパッツのところがクッキリわかりやすい、実にダサい日焼けになった。TEVA焼け。


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本日の釣果としては、美味しく食べられるものとしては泉さんの釣ったタコと、山田くんのカワハギ。
ヒレに毒のあるアイゴや、フグなどはいいサイズのものがたくさん釣れたのだけど、食べられないのでリリース。
山田くんが最初に釣り上げたのに、針からはずしたときに手からすべり抜けて逃げてしまった「まぼろしのファーストキス」や、寺井ちゃんが水面ギリギリまで引っぱったものの、あとひと息のところで逃げられた「逃したサヨリは大きい」とかもいたんだけどね。惜しかった。
帰りの舟が来る前に釣果を〆て、クーラーボックスに入れて帰る。


アクアラインや蒲田のあたりを通るたびに「ここ『シン・ゴジラ』で出てきたとこだよね!!」とかハフハフしながら車で帰り、レンタカーを返却したら泉さんのおうちで反省会。
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カワハギは今日のご褒美として、肝醤油でいただきました。
タコは足の1本分だけ味見して、残りはすぐ冷凍して9日の捜査会議用に。

超、うめえ。
まじで。
しっとりと身の詰まったカワハギを、濃厚な肝をからめつつ口に入れるとブワァと旨味がひろがり。
新鮮なタコはちょっと味わったことのないくらいの鮮烈な歯ごたえと、噛むたびにほどける味わいで。
超。
うめえ。


自分たちで釣ったばかりの魚をさばいていただく、というこの贅沢。
実にシンプルな話ですよ。

これはハマるね。
楽しかったもの。



そんな経緯で釣れたタコを、どうぞみなさま召し上がれ、という会を今週やるんです。
楽しい会になるんじゃないかな。
変な日焼けあとも、どうぞご覧あそばせ。
 


こちら皿の上警察〜合同捜査だヨ!全員集合〜

泉光典・内田龍・山崎カズユキの3人の俳優が、「事件は皿の上で起こってる」というコンセプトのもとに、気まぐれでごはんをふるまい、気ままに酒を呑んだりするユニットです。

という「皿の上警察」。


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昨年12月の第一回今年3月の第二回を経て、第三回の捜査会議はどんなことをやろうか、という打ち合わせを、下北沢の珉亭の座敷で餃子をほおばりながら開いたのが5月の末。

我々3人のほかにゲスト料理人をお招きしての「合同捜査会議」にしようということに話がまとまり、何人か候補にあがったなかでいちばん最初に名前が出たのが、栄養士の資格を持っている女優さんの佐藤みゆきちゃんでした。
コンセプトとしては「皿の上警察に、女優さんが一日署長でやって来た」というのがいいんじゃない?などと言いながら。

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実際彼女の作るお料理を食べたことはみんななかったのですが、お話してみたら快諾していただき、何回か打ち合わせを進めて準備してきました。


会場になる都内某所の隠れ家マンション的なスペースで、下見も兼ねて献立会議をしたのだけど、ちょうどその日は空いていたので「キッチン使ってもいいよ」とオーナーさんが言ってくださったので、スーパーにお酒と食材を買いに行って、パパッとつまみを作っての宴会がはじまりました。
あのときのみんなのキビキビっぷりが本当に面白かったです。


そして各々が数日前から仕込みをすすめ、当日朝10時に搬入して会議はスタート。
みんななかなかの大荷物なのでひと苦労。
しかし、ワクワクしますね。

今回はお品書きをみなさんに配れるようにしようということで、スケッチブックに手書きでそれぞれか書いたものを、ITに強い寺井捜査員が「捜査資料」という形でpdfにしてプリントしてくれました。

そんな今回のラインナップはこんな感じでした。


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[山崎刑事]
・アボカドなめ茸梅肉和え
・鳥皮とアスパラガスのポテトサラダ
・鮭とわさびのたまごサラダ feat. ソフィーのパン
・クリーミー豚キムチ(昼の部)
・ラム肉のクミン炒め(夜の部)
・みょうがまぜごはん

[内田刑事]
・夏野菜とベーコンの和風ゼリー寄せ
・豚肉のワイン煮 with トリュフ塩
・アカハタのエスニック風酒蒸し
・濃厚卵黄ソースで食べる焼き野菜

[泉刑事]
・ブラウンマッシュルームとシーフードのトマトスープカレー
・三浦半島で釣ってきたワカシと夏野菜のエスカベッシュ
・ブレンドスパイスでマリネしたやみつきチキン
・ローストポーク 刑事のきまぐれソース
・水なすのカルパッチョ(夜の部)

[佐藤一日署長]
・薬味まみれのきゅうりさん(昼の部)
・焼きナス あまみそだれ/しょうがおろしと大根つゆ(昼の部)
・人の炊いた米ドロボウのシソの漬物(昼の部)
・絹さやと春菊を食べさせたい白和え(昼の部)

・山にょデカの実家のパンの上をとりしまるイチから作ったアンチョビのせたクロスティーニ(夜の部)
・とれたてインゲンのゴマ和え(夜の部)
・新ジャガ 北あかりのスパニッシュオムレツ(夜の部)
・そのまま召し上がれ♡モロキュウ(夜の部)

・シメのおそうめん ねばとろの出汁/山形だしの出汁
・すっぱくて元気の出るシソジュース

・油揚げに大根おろしをのせて(夜の部)
・おぼろ豆腐のしょうがあんかけ(夜の部)
・春菊のサラダ(夜の部)


こうやってあらためてふりかえってみると、相当いろいろ出しましたね。
「これ食べそびれたワ......」というのもいくつかあるな。

佐藤署長はご実家の福島から大量に届いたお野菜をふんだんに使って。
泉刑事はちょっと目を離すとすぐお洒落になりがちな。
内田刑事は得意の魚料理と夏らしいラインナップで。
山崎刑事は毎週のBUDOKANで好評だった酒のアテのなかから好評だったものを中心に。


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泉刑事が家で仕込んできたワカシを忘れ、佐藤署長も文字通り手塩にかけたアンチョビを忘れ、慌てて昼の部の始まる前に取りに戻ったり、山崎刑事も急な用事が入ってしまったためにしばし中抜けしたり、とまあまあドタバタもしたりもしたのですが、わりとゆったりお食事を楽しんでいただけた昼の部。

そして当日飛び込みのお客さまでどんどんふくらんだ夜の部。
なかなかなカオス空間になっていきました。
出したそばからなくなっていく料理。みなさんの気持ちいい食いっぷりに、作るこちらもテンション上がるってもんですね。
個人的にはクリーミー豚キムチ出したときに、なかなか舌の肥えているであろうお客さまから「これ作ったの誰ですか?すごい美味しい!」と感想をいただいたのが非常にうれしかったす。

基本的には大皿をゴンゴンと並べていくスタイルだったのですが、佐藤署長がわざわざ家まで取りに戻ったアンチョビを使ったクロスティーニは、「7kgのイワシを丁寧にさばいて、3ヶ月熟成させた自家製のアンチョビを、わたくし山崎の実家のバケットといっしょに合わせました」とテーブルごとに説明をしながらお配りするスタイル。
そりゃもう、みんないい反応ですよ。
あれ、美味かったなぁ。


そして、今回非常によかったのは、実はお皿なんす。
もともと会場にあるお皿の枚数が少ないのと、素っ気ないものばかりなので、ちょっといいのがあるといいなぁと思っていたところ、佐藤署長がお友だちから大皿を何枚も借りてきてくれまして。
前に酒房山如ッチをやったときにも常連さんたちからお借りしたのですが、やっぱりお皿って大事だなとしみじみ思うのです。
今度ボロ市とかで大皿探してみようかな。

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たいへん盛り上がった宴は23時くらいでいったんお開きに。
いつもは終電前くらいで慌てて撤収していたのですが、会場に朝までいても大丈夫ということだったので、残ったお酒とおつまみを片づけつつ、何人かスタッフと呑みたりないお客さんもいっしょに、朝までダラダラと打ち上げたのでした。
ウッドデッキから見た朝焼けのなんとも美しかったことよ。ご褒美のプレシャスタイムでした。
内田刑事・泉刑事は寝落ちちゃってたけどね。


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はあ。
鬼たのしかったな。

佐藤署長がFacebookのほうでこんなこと言ってました。

みなさま、本当に幸せな時間をありがとうございました!
こんなに美味しいって言っていただけたの、人生で初めてだよ!

給食の先生時代もおいし〜!って言ってもらっていましだが、大人にこんなに言っていただけたら、今すぐ死んでもいいなかぁと思ったほどでした。

美味しいものをみんなで共有できる喜びったらないですね。
まだまだ食べたいものがいっぱいあるので死なないけど。
しかし、ここ2週間くらいの準備段階でいろいろバタバタしたのと、当日があまりにも楽しかったので、反動でいまかなりボンヤリしています。
ひとつ公演が終わったときと同じ感覚。



思いだしてみると濃厚すぎて、ずいぶんまとまりのない長いレポートになってしまいました。

最後に。
ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。
いろいろ心配りが行き届かなかったところも多々あったかと思いますが、また反省点として次回以降に活かせたらと。

いろいろご協力いただいたみなさま。
そして八面六臂の大活躍っぷりだった佐藤みゆきちゃん。
またぜひよろしくお願いいたします。


次の捜査会議をお楽しみに。
お待ちしております!!!

 

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