苦役列車


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夕方から、丸の内TOEIで『苦役列車』観にいってまいりました。


1986年。19歳の北町貫多(森山未來)は、明日のない暮らしを送っていた。
日雇い労働生活、なけなしの金はすぐに酒に消えてしまい、家賃の滞納はかさむばかり。いよいよ大家の眉毛もつり上がり、払うか、部屋を出るかの瀬戸際まで追いこまれていた。
そんな貫多が職場で新入りの専門学生、日下部正二(高良健吾)と知り合う。中学卒業後は、ひたすら他人を避け、ひとりぼっちで過ごし、ただただ読書に没頭してきた貫多にとって日下部は、初めて「友達」と呼べるかもしれない存在になる。
貫多には、かつてから恋い焦がれる女の子がいた。行きつけの古本屋で店番をしている桜井康子(前田敦子)。読書好きの康子は、貫多にとってまさに理想の存在。彼女への思いを日下部に話すと、適度に世慣れた日下部はうまく仲介して、晴れて貫多は康子と「友達」になる。
でも「友達」って、何だろう――貫多は、自分の人生に突然降ってきた新しい出逢いに戸惑いながらも、19歳の男の子らしい日々を送るが・・・・・・


重いな。
ズゥンと響いた。

けれど山下敦弘監督の独特のリズム感と空気の色合いがホントに心地よく、しみ入る。


わりと暢気にのほほんと"日下部"側の19歳をすごしていた自分は、貫多のように不器用でまっすぐな友だちに対して、憧れと尊敬と、憐憫といらだちがごっちゃになったコンプレックスのようなものを感じていたのを思い出し、なんだかいろいろえぐられた。

森山未來さんの、めしの食べ方とタバコの吸い方がすばらしい。あの役におもいきり体重のっけてる。
あとマキタスポーツさんがとても素敵。ダメで、しょうもなくて艶っぽい。

あと、1986年が舞台ということで、劇中で出てくる「SaSuKe」とか「NCAA」とかの缶飲料に個人的にグッときた。なつかし!
ああいう細かいところから伝わってくる時代の手ざわり、イイですよね。


原作をちょっとここで試し読みしたら、もう完全にグイグイ引き寄せられた。
買ってこよ。

 

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