さよなら宇田川町 朗読作品集「散歩」「初恋」「夜」「豆乳」

コロナ禍の外出自粛期間中に、オンラインで集まって創作を重ねた、さよなら宇田川町 朗読作品集の第三弾が公開されました。
今回はそれぞれがひとつの作品を朗読しています。
私は「散歩」。
以前出演した舞台『ライラック』のフライヤーにも掲載された、思い入れのある素敵なテキストですよ。




さよなら宇田川町 朗読作品集
「散歩」「初恋」「夜」「豆乳」

[作・演出]河西 裕介(Straw&Berry)

[声の出演]
ハマカワ フミエ
/葛堂 里奈/
山崎 カズユキ/
泉 光典

[整音]
高橋 玄

[企画・編集・写真]泉 光典(さよなら宇田川町)

[協力]
フォセット・コンシェルジュ/
バウムアンドクーヘン/
ブルドッキングヘッドロック/
エコーズ



 

さよなら宇田川町 朗読作品集「日常」

先日の公開から、おかげさまでいろいろな反響がありました「さよなら宇田川町」朗読企画。
こちらの第二弾がアップデートされました。

脚本・演出の河西さんが、先日Twitterでこんなこと言ってた。


ほんとですよ。
冒頭からいきなりの「なんだこれ」感。
「手」とのコントラストがまた味わい深い仕上がりとなっております。

また、前回は泉さんが東京の風景を切り取った写真をコラージュした映像だったのですが、今回はわたくしのiPhoneで撮りためたカメラロールのなかから選んだ写真(人物以外)が使われております。
いろいろ撮ってたんだな......。

こちらもあわせてお楽しみくださいませ。


さよなら宇田川町 朗読作品集
「日常」

[作・演出]河西 裕介(Straw&Berry)

[声の出演]
ハマカワ フミエ
/葛堂 里奈/
山崎 カズユキ/
泉 光典

[整音]
高橋 玄

[企画・編集]泉 光典(さよなら宇田川町)

[写真提供]山崎 カズユキ

[協力]
フォセット・コンシェルジュ/
バウムアンドクーヘン/
ブルドッキングヘッドロック/
エコーズ



 

さよなら宇田川町 朗読作品集「手」


「さよなら宇田川町」が、戻ってきた。

泉光典さんが中心となり、同じ事務所の仲間たちといっしょに、2018年の春に舞台をやろうということで立ち上げたユニット。

この新型コロナウィルス影響下の日々のなか、なにかリモートでもできる作品づくりはないかということで、泉さんが動きはじめたのが5月はじめくらいのことだったか。

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いっしょに舞台を作った河西裕介さん(Straw&Berry)に脚本と演出を依頼して、書き下ろしの作品を朗読するという企画に、ハマカワフミエさん・葛堂里奈さん(ブルドッキングヘッドロック)という素敵な顔ぶれが参加。
ZOOMやLINEを活用しながらオンラインで稽古をくりかえし、iPhoneで録音→整音をしてもらい、泉さんが撮影した写真とあわせて編集。
「これ、普通に芝居の稽古やるのといっしょだね」と、なかなかシビれる日々でした。


手のひらのうえにそっと載せ、優しいあたたかみを感じたくなるような作品に仕上がりました。
どうぞご覧くださいませ。


そしてこの企画はまた続いてゆきます。
よろしければYouTube「さよなら宇田川町」チャンネル登録くださいませ。


さよなら宇田川町 朗読作品集
「手」

[作・演出]河西 裕介(Straw&Berry)

[声の出演]
ハマカワ フミエ
/葛堂 里奈/
山崎 カズユキ/
泉 光典

[整音]
高橋 玄

[写真・編集・企画]
泉 光典

[協力]
フォセット・コンシェルジュ/
バウムアンドクーヘン/
ブルドッキングヘッドロック/
エコーズ



「12人の優しい日本人を読む会」

4月29日のことだったかと。
Twitterのタイムラインに、近藤芳正さんのこんなツイートが流れてきた。



 このたび、三谷幸喜氏の傑作会議コメディ『12人の優しい日本人』を、特別に許可を得てリモートで読み合わせ、それをYouTube Liveで生配信する会を開催することになりました。

出演は1992年東京サンシャインボーイズでの上演版のオリジナルキャストを中心に、吉田羊、Prayers Studioの妻鹿ありか、渡部朋彦を加えた豪華メンバーでお届けします。

演出は三谷幸喜フリークの若手演出家・アガリスクエンターテイメントの冨坂友。

「#StayHome」「#家ですごそう」な状況の5月6日、ぜひご自宅でお楽しみください!


マジかよ......!?

東京サンシャインボーイズのオリジナルキャストが集まったということがまず驚き。
このメンツの顔合わせが見られる機会なんて、そうそうないぞ。
それも無料生配信って。

そして屁理屈シチュエーションコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントの冨坂さんが演出というのもまた胸の熱くなるポイント。

小劇場界隈の仲間たちがこのニュースにザワついていた。

アーカイブもしばらく残るということではあるけれど、これはオンタイムで観ねばでしょう、と画面の前に正座して待機。

まだご覧になっていない方は、まずは観ていただきたい。



東京サンシャインボーイズの舞台版は残念ながら観てはいないけれど、中原俊監督の映画版を大学生のころにはじめて観て、衝撃的な面白さにその後何度も観た。
緻密なストーリーの展開に唸らされ、12人の陪審員たちの個性にグッときたのですが、なかでも陪審員12号役を演じた加藤善博さんの、ちょっとキザで胡散臭いんだけど人間味あふれる人物像がとても好きだったのです。

20代なかばくらいのころに、友だちが働いている中目黒のバーに行ったとき、その加藤さんとたまたまカウンターの隣になったことがある。
もうずいぶん前の話なのでおぼろげな記憶ではあるが、友だちに紹介してもらい「陪審員12号の役がすごく好きなんです」と伝えたら喜んでくださり、まだ年端もいかない若造と気さくにお酒を酌み交わしてくださった。

その後しばらくして、自殺で亡くなったというニュースを読んだのは2007年のことだった。
まだ48歳だったという。

この読み合わせを観て、映画のシーンが頭のなかにたちのぼり、加藤さんの姿や台詞回しが浮かんだ。
自分の目指す・あこがれる演技スタイルのなかに加藤さんがいるんだな、ということをふと思った。
飄々としてとらえどころがないけど、ぶれない芯があって艶っぽい、みたいな。



しかし、つくづく贅沢な企画であったな。
相島一之さんの熱量や宮地雅子さんとのやりとり、西村まさ彦さんの渋さと軽やかさなどに痺れた。
オンタイムで15,000人もの人たちが観ていたとか。
YouTubeのチャットのスピード感など見ていたら、エンターテイメントの歴史に残る事件に立ち会った感がありました。
あれを観て「劇場に行ってみたい」という人が増えたのであれば、本当に素敵なことだと思う。

このコロナウィルスの影響下、舞台や映画が観られないフラストレーションに加え、エンターテイメント業界全体の危機的な状況と、それに声をあげる人たちに対する理不尽な風当たりの強さに心がクサクサする日々のなか、本当に胸が熱くなった。


演劇を、映画を楽しみたい/楽しませたいというきもちを、すり減らせてはならぬ。

サバイブしていこう。


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