山にょの山。

ちょっと前の話になりますが。

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今年は正月に実家に帰りそびれ、もうちょっとあったかくなったら帰ろう、とかいろいろ思ってるうちになかなかタイミングをつかめず。
ちょうどポッカリ予定が空いたので、先日ひさしぶりに新潟に帰省してきまして。
新しく開通した北陸新幹線がうちの近くを通るようになったというので、乗ってみました。なんかトランスフォームしそうなフォルムでした。


父母姉と全員B型の家族がひさしぶりに揃って晩めし。
このあいだ山形出身の友だちから、ご実家の山で穫れたという山菜を送ってもらってたいそう美味しかったという話から、うちの亡くなったじいちゃんも山菜狩りが好きで、家族でよくたけのこ狩りに行ったよね、という昔話に。

私「そういえば昔うちのじいちゃんも山、持ってたよね、あれって今どうなってるの?」
父「ああ、あれな。まだあるよ」
私「え? てっきり売り払っちゃったと思ってた」
父「それもちょっと考えたんだけど、売ったところで二束三文にしかならないし、せっかくじいちゃんが買ったものだから一応売らなかった」
私「そうなんだ」
父「でももう何年もほったらかしにしてるな」
私「へぇ。でもなんつうの? 固定資産税? みたいなのって払わなくちゃいけないんじゃないの? 維持費っつうか」
父「一応払ってるんだけど、年間で数百円くらいなんだわ」
私「えー、そんなもんなんだ。え、もて余してるんだったら、山、ちょっと欲しいんだけど(笑)」
父「別にいいけど(笑)」
私「マジか(笑)」
母「でも山なんてどうするの」
私「んま、わかんないけど。『山持ってます』って言えるの、なんか面白いなと思って」

という酒の席での軽ーいタッチの会話がありましてですね。

わたくし、新潟の山を、ノリで引き継ぐことになりました。


その翌日、ばあちゃんに会いに行ったついでに山を見に行きました。
ばあちゃんが住んでる妙高は、沖田修一監督『滝を見にいく』のロケ地になったところの近くで、今の季節は新緑が大変綺麗であります。

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途中で旧国道沿いにある、地元の繁盛店「たちばな」でとん汁定食食べて、車をしばらく走らせたどりついたのは「たぶんこのあたりだと思う」とかなりフワッとした感じのうちの山。
両手を広げて「この辺からこの辺までがうちの山、ということになってるらしい」と、買ったじいちゃんもずいぶんざっくりとしたことしか言ってなかったようで。
おそらく書類的なものには細かく銘記されているかとは思うのですが。
ちょっと分け入ってみたけれど、かなり鬱蒼と茂った山で、足元もぬかるんでいたり虫がすごかったり、ちゃんとした山の装備で入らないとケガしそうな感じだったので、今回は雰囲気見るだけで。
ばあちゃん曰く「熊も出るみたいだから気をつけなさいよ」とのことでした。マジか。

すぐ近くにはキャンプ場もあるので、季節のいいときに友だち連れてキャンプに行って、ちょっと山のぞきに来るのもいいかな、と。

しかし何が問題かっつうと、山は持ってても車の免許持ってないんですよね、わたくし。
なので今のところ、父に連れてきてもらわないと山にたどり着けないというのが困ったところ。


山、どうしたもんかな。
とりあえず山菜が採れるようだったら、採ったそばからつまみにして酒だ、酒。
あと、オーディションで出すプロフィールの特記事項とかに「山」と書いてみようかな。


山にょの山。
夢が広がりんぐだよ!

 

キネマの天地

このゴールデンウィーク、とある映画の撮影に参加しておりまして。

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ちょうど29日の水曜日からはじまり、5日火曜日の撮影休みをはさんで、6日をもって自分はクランクアップとなりました。
1週間以上にわたる撮影というのもけっこうひさしぶりで、最後は監督から直接花束をもらいまして、大変うれしかったであります。


役どころとしては、メインの方たちと同じチームの一員ということで、台詞はほとんどないけれど、同じ場面にわりと一緒にいる、という感じの。
まだ情報解禁になっていないので、非常にフンワリした感じのことしか言えないのが歯がゆいのですけど。


はじめて作品をご一緒する監督さんに、錚々たるキャストの顔ぶれに胸を躍らせ。
まったくどんなことをするのかわからない職業を演じるに当たり、どんな役づくりをしたらよいもんかと戸惑いながらも、連日早起きをして撮影現場に向かっておりました。

ただボンヤリと突っ立ってる添え物にならぬよう。
かといって悪目立ちして全体の画を台無しにすることのないよう。
ギリギリのラインをさぐりつついかに遊べるか、というところのせめぎ合いの日々でした。
ときどき助監督さんに「ちょっとやりすぎですね」と言われたりもしたけど、テストでいろいろ試してみてOK/NGの軌道修正をして本番に臨むという。
なんとかいい芝居して爪あと残してやろうと、こちとら必死なわけですよ。


以前、尊敬する個性派俳優の大先輩と映像の現場でご一緒して、お酒の席でお話をしたとき。
「お前らさぁ、今回エキストラみたいな感じかもしれないけど、なんでそんなにおとなしく立ってるだけなの?」
「俺がまだ若かったときは、とにかく監督とかカメラマンに怒られるまで、自分で勝手に動いてたよ」
「邪魔しないように、とか気にしなくていいんだよ」
と、お説教というわけではないけれど、なかなか熱いアドバイスをいただいたことがありまして。

その当時は「そうは言っても先輩だからできるだろうけど、自分はなかなかできないよ......」ということを思って、そのことばをすぐに飲み込んだりできなかったのですが。
けれど舞台や映像の現場や、ワークショップなどのいろんな経験を経て、いまようやくあのことばが解釈できたような気がします。

台本に書かれていない、役のバックボーンを自分で描いて、衣裳の着くずし方や椅子の座り方など考えて、イメージに合いそうなメガネや腕時計などの小道具を引っぱりだしてきて、カメラのなかの世界に自分をなじませるというアプローチを、昔よりもどんどん楽しめるようになった感じがありました。今回特に。


はー。
楽しかったな。
まだまだ撮影自体ははじまったばかりですが、よい作品となりますよう。
来年の公開を首を長くして待っております。


あと。
撮影の現場では、2種類のおにぎり+たくあん+唐揚げやゆで卵や卵焼きなどのおかずの詰まったおにぎり弁当が朝食として用意されてることがわりとよくあるのですけれど、アレが本当に大好きで。
今回の現場では、まぜこみわかめとスパムのおにぎり弁当が出たので、その日はテンションが爆上がりでした。

あれ、おいしかったなぁ。
おいしかったなぁ、おにぎり弁当。

またおにぎり弁当が食べたいので、どんどんいろんな映像の現場に呼ばれるようがんばります。

 


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