サンキュー。

2月27日。

今年もまたひとつ歳を重ね、39歳になりました。
TwitterやFacebookなどで、さまざまな方面からお祝いのメッセージを頂戴して、たいへん嬉しいかぎりです。ありがとうございます。

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新潟の母上からは、お祝いのお酒が届きました。さすが、わかってらっしゃる。
大事にちびちび呑もう。
自分に贈る誕生日祝いとして、これまでおひつや中華鍋など、何かしら台所まわりのものを買ったりしてきたのですが。
西荻窪のセンスあふれるお店「六貨」さんが、3月から産休のためしばらくお休みになってしまうというのでのぞいてきて、壊れて使えなくなってたペッパーミルと、ずっと欲しかったにんじんしりしり(スライサー)を買った。しりしりするぞ。ウェイ!

夜はBUDOKANに入って、いろんな人がフラッと立ち寄ってくれまして。「お祝いに一杯どうぞ」とごちそうになってしまってすこぶるゴキゲンに。誕生日ってイイですね。


さて。

去年の日記を読み返し「スティーブ・ブシェミになりてえよ」という思いは相変わらずなのですが、いよいよ『ファーゴ』の歳になったか......とワナワナしております。

最後の30代か。

BUDOKANのカウンターに置いてあった誕生日占いの本を読んだら、「いろんなことに首をつっこんでは、すぐ飽きて中途半端になりがち」的なことが書いてあって、なかなか痛いところを突かれた感じは否めないのですが、臆することなく新たなことにもいろいろ挑んでいきたいなと思う所存であります。

あと、20歳になった年と30歳になった年にインド旅行に行ってるので、きっと来年40歳になる年にまた行くことになるかと。それに向けて今年はいろいろ計画を練ろうと思います。
たのしみだ。


まずは目の前の、MUの舞台『少年は銃を抱く』に力をそそぎます。
稽古もいよいよ本格的になってきて、ヒリヒリ痺れてばかりっすワ。稽古場の様子もまたあらためて。
チケットの売れ行きがなかなか好調なようです。公演が近くなるとチケットがご用意しにくくなるかもしれないので、ご予定がお決まりでしたらお早めに連絡くださいな。

こちらのチケット予約フォームからもお気軽にどうぞ。



あらためまして、みなさまどうもありがとう。
今年もどうぞよろしくおねがいいたします。

サンキュー、サンキュー。
 

丘の上、ただひとつの家

月曜日。

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鵺的『丘の上、ただひとつの家』@SPACE雑遊、観に行ってまいりました。

おかあさん
育てる気がないなら
なぜわたしたちを産んだのですか
家族を知らないわたしたちは
ぼんやりとした幸せと不幸をかかえたまま
たださまよいつづけるしかないのですか

幼い頃に生き別れた母を探し出そうという姉と、
会う気はないと抵抗する妹。
見知らぬ肉親の存在を知った人びとは、
それぞれの思惑に乱れ、
葛藤しはじめる。

鵺的が贈る他のどこにもないホームドラマ。


ひとりの母親をめぐる、血のものがたり。
ひとりひとりの人物の、ヒリヒリと痛む皮膚の下にうごめく感情のうねりがすさまじい。

舞台の中心には白い一本の柱が立てられているのだけど、その根元が腐っているという美術が、世界観を深く描いていてすばらしい。
角度によっては人物を隠してしまって、会話する人たちの邪魔をしているという点においても、とても象徴的。

一度バラバラに解体されて、ちがう脚や背もたれで再構築されたオブジェのような椅子もまた、おぞましくも美しい。
やるね、袴田さん。


先日観てきた風琴工房『penalty killing』が動の芝居だとしたら、こっちは静の芝居。
表現のベクトルは違えど、熱量の凄さという意味においては両者譲らず、といったところでしょうか。
公演期間が同じこの2作品を見比べられたのは、とてもよいコントラストでありました。

ふー。
これまた凄い作品を観たよ。
熱量、熱量。

 

パンチラ展2015


今年のはじめころ、Twitterで「パンチラ展2015」というのが開催される、というニュースが流れてきた。

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「パンチラ」をテーマにした写真展「パンチラ2015」が、浅草橋にあるレンタルギャラリー・Photons Art Galleryで2月9日から開催される。会場では、写真家やモデル、絵師などのクリエイターが「パンチラ」をテーマに制作したA2サイズの作品を展示。期間は2月15日まで。

「スカートの中は、宇宙である」という煽り文句に、こりゃ気になるワー、と思ってSNSでつぶやいたりしていたら、以前映像作品でお世話になった尾道幸治さんという監督さんが「僕も出品してるのでよかったら遊びにきてください」とご案内をくださいまして。

んで行ってまいりましたよ、バレンタインデーに。
パンチラ展2015。

会期も1週間のみ、会場もそれほど大きくないギャラリーということもあり、土曜日はものすごい行列になっておりました。
みんな好きだね、パンチラ。
やはり男性も多かったのですけれど、思いのほか若い女子もけっこう来てました。

3階建てのギャラリーに入ると、エントランスのところには等身大の女子高生のパネルが立っていて、下半身はスカートを履いたマネキンが。
観光地の顔ハメ的な感じで「ご自由におめくりください♡」と、写真撮影もOKとのこと。


お友だちの噺家さん、林家きく麿師匠の新作落語のなかに「パンチラ倶楽部」というとても面白い噺がありまして。
「パンチラは神が与えし宝なり」という倶楽部の掟のなかには「自ら求めて手に入れるものではなく、偶然に与えられるもの」と定められていまして。
あのスカートめくりは、パンチラ倶楽部の鉄の掟に反する行為ではありますが。
ニヤケ顔で写真、撮ってもらっちゃった♡


会場には所狭しとパンチラの写真やイラストが展示してありまして。
扇情的なものから、アーティスティックなもの、コスプレ写真やオモシロ系などいろいろ。

尾道さんの作品は、コインランドリーでのにっこりパンチラ。
ちょうど在廊していた尾道さんに聞くと「妄想を思いっきりカタチにしちゃいました」「他の人たちに比べるとソフトになっちゃいましたが」とのことでしたが、いやいや、なかなかどうして素敵なパンチラいただきました。

なるほど「スカートの中は、宇宙である」でした。

「ガキの使いやあらへんで!」の「笑ってはいけない◯◯」シリーズで、女装した浜ちゃんのパンチラですらついつい目が行ってしまうのは、きっと俺だけじゃないはずだと思うんス。

\P・C・C!/
\P・C・C!/
♪パンチィーラ 倶楽部ゥ〜♪

 

NYMPH()MANIAC

ラース・フォン・トリアー監督の新作『ニンフォマニアック』のVol.1とVol.2を、早稲田松竹で連続上映しているとのことで、どちらも観逃していたので観に行く。

最終日ということもあったけれど、金曜日の昼間だというのに立ち見が出るくらいの大盛況。

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性的にむき出しのドラマであり、色情狂を自認する女ジョーの誕生から50歳までのエロスの旅をあつかう。
寒い冬の夜、年配の独身者セリグマンは裏路地でぶちのめされたジョーを見つける。セリグマンは彼女を家に連れ込んでケガの治療をし、彼女の人生について尋ねる。ジョーは高度にエロティックな人生についての淫欲にまみれた物語を8章にわたって語る。セリグマンは読書家でいろんな知識を持っている。彼はジョーの物語を、本で読んだことに関連付けてゆく。
話は二巻・8章に分けられ、「第一巻」では若いジョーをステイシー・マーティンが、「第二巻」では後半生をシャルロット・ゲンズブールが演じる。
第一巻
「コンプリートアングラー」
「ジェローム」
「ミセスH」
「せん妄」
「リトル·オルガン·スクール」
第二巻
「東方教会と西方教会(サイレントダック)」
「鏡」
「銃」

性に対する好奇心旺盛だった少女が、成長していかにセクシャリティと向き合ってきたかを語るおはなし。
自分も小さいころからエロに対しては過敏ではあったけれど、その発露の仕方がわからないままずっとこじらせて悶々と生きてきた性質なもので、いろいろ考えさせられました。

わたしにとって、エロってなにかね。
愛ってなにかね。


5時間半、めくるめく官能の世界に目と下半身を鷲掴みにされつつ、ところどころリズミカルに挟まれる艶笑の描写に振り回され、そして最後の幕の引き方に痺れた。

マジかよ......マジでかよ!
お、オイ!

話の構造的に『編集王』の"明治一郎篇"をふと思いだす。
あれもまた非常に心に刺さったエピソードだったのですが、明治一郎が自分の生きざま、性の遍歴を回顧して

"エロ"で誰かが傷つくのは知っていた。
誰かを必ず傷つける玩具を......
俺はなぜここまで大事にしていたんだろう。

と心のうちを吐露していたな。
ちょっとあらためて読み返したくなりました。


前情報をほとんど入れずに観たので、クリスチャン・スレーターやウィレム・デフォーなど「え、この人も出てんだ」というキャストがいろいろ。

Mrs.H役のヒステリックな婦人がすげえ面白いな、と思っていたらユマ・サーマンだったのね。印象が全然違って気づかなかった。
あとサディスティックな手ほどきをする謎のハンサムは『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベル。いい男に育ったのだね。

若い頃のジョーを演じたステイシー・マーティンの体当たりっぷりが大変すばらしかった。麗しいおっぱいだったなァ。
しみじみ。


あと余談ですが、Vol.1とVol.2の合間にタバコを吸いに出たら、知り合いにバッタリ遭遇。
「なんか......照れますナ」と男2人でニヤニヤしたのでした。