弔う。


朝、Twitterのタイムライン上で、中村勘三郎さんの訃報を知る。

ちょうど昨日、職場の同僚と勘三郎さんの話をしていたばかりのことだった。
いろいろな人の、嘆きのツイートを読んで心がしみる。
それにしても飲み込めない知らせ。いくらなんでも若すぎるよ。


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勘三郎さんの舞台、大学生のころに歌舞伎鑑賞の授業で行ったのがはじめてのことだった。五代目中村勘九郎の頃だったかと思う。
それから松尾スズキさんの舞台『ニンゲン御破算』で観たり。
軽やかで、太くて、熱さをもった華やかな人だなとビンビン感じたのをおぼえている。
阪本順治監督の『顔』での、人間臭くていやらしい役も本当に素敵だった。

伝統芸能の世界に軸足を置きながら、風通しをよくしようといつも動いていた、偉大なセンパイ。
平成中村座がとても面白い、ということをいろいろな人から話を聞いていた。
ロングランなのでいつか観よう、などと思っていながら、ボンヤリしてるうちに結局観そびれてしまった。


なんだかな。
なんでかな。


この日々の記録をつけるようになり、20代のころのように面白そうだと思ったものをどんどん積極的に観に行ってみようという気持ちが戻ってきた。
自分の行動に迷いが少なくなってきた、というか。

観たいものを観る。
食べたいものを食べる。
会いたい人に会う。

スケジュールの問題だったり、経済的な状況だったりで、すべての欲望を叶えられないのはもちろんわかってるよ。

でも、つくづく嫌なんだよ。こういう後悔の気持ちは。
躊躇してるひまがあったら頭を使ってスケジュールをやりくりしろ。
身体を動かしてお金を手に入れろ。
次の機会に、とか言い訳するな。

と。
心に深く刻む冬の朝。

  

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