行方不明


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夜、赤坂レッドシアターでブラジル『行方不明』観てまいりました。

真夜中の電話。不吉な予感。
「たまには会いたいな」
照れくさそうにアイツは言った。
俺は仕事が忙しいと断る。いつものことだ。
仕事をクビになり、妻の浮気が発覚して、全てを失って、
思い出したのは、アイツのことだ。
虫のいい話だ。
アイツの携帯は通じなかった。
会いに行ってみると、アイツはいない。
はじめから存在しなかったかのように。
行方不明なのは、アイツなのかーーー俺なのか。


ヒリヒリするサスペンス。
怖かったよ。
日常と地続きの、生々しいおそろしさのようなものの描き方がとても巧いな、と思う。
フッとずらした視点から、ゆがむ景色がゾワゾワする。
そして切ない。

イサヤマ氏の気持ち悪さ(ほめていますよ)がピッタリはまっている。体重乗っけてたな。
RONNIE ROCKET仗桐安氏のうさんくささ(これもほめているんですよ)も非常に説得力がある。
あと、クロムモリブデンの幸田尚子さん。体温の低そうな怖さが美しい。なかなか小劇場界隈で見たことないタイプの別嬪さんですね。

長丁場の公演なので、またここからさらに深化・熟成していきそうな感じ。
終盤あたりでもっかい観たいな。


関係ないけど、「ブラジル」「行方不明」で検索かけたら、ブラジル代表FWフッキの妹が行方不明、というニュースがひっかかってきた。
こちらはどうやら無事解決したみたい。よかったですね。

 
YAMAZAKI Kazuyuki (2012年11月19日 22:08)