髑髏城の七人


友だちから「チケットがあるんだけど、一緒に行かない?」と誘われ、観に行ってまいりました。

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天正十八年。
織田信長亡き後、天下統一は豊臣秀吉によってなされようとしていた。
しかしそれに抗う一人の男が関東に存在した。
それは、漆黒の髑髏城に潜む武装集団≪関東髑髏党≫を束ね、自らを"天魔王"(森山未來)と名乗る、かつて信長に仕えた男であった。
血を流すことを厭わず、もはや狂人と化した天魔王率いる関東髑髏党に追われていた女を行きがかりから助けた捨之介(小栗旬)は、女を匿ってくれるという色里で無界屋蘭兵衛(早乙女太一)に出会う。
奇妙な縁に操られ、関東に集まり始める者たち。
捨之助と蘭兵衛が共に抱える過去、そして天魔王とのつながりが明らかになる時、天魔王の悪しき野望も明らかになろうとしていた。
全てを覚悟した捨之介は天魔王を止めるため、たった七人で二万の兵で囲われた髑髏城を攻め落とすことを決意するのだった。

18歳で上京して舞台をはじめて、ずいぶん長いこと経ちまして。
新潟の田舎町で育ったもので、ほとんど舞台を観たことはなかったのですけど、実際に自分で舞台をやるようになってからいろいろ観に行くようになりました。
面白い舞台も、そうでもない舞台もたくさん観てきたのですが、実は劇団☆新感線の舞台は観たことがなかったのですね。恥ずかしながら。
食わず嫌いしてきたわけでも、避けてきたわけでもなんでもないし、観てみたいなと思ってはいたのですけれど、ホントなぜか。

しかしこうしてゲキ×シネという形ではじめて体験した、新感線の代表作『髑髏城の七人』。

ど真ん中、豪速球の爆音エンターテイメントに思いっきりブン殴られました。

うっっっっっわー。
スッッッッッッッッゲェ!!!

超おもしれえ!

もう、艶とケレン味満載の登場人物たち。
ひとりひとりのキャラクターにそれぞれちゃんとフォーカスを当てて見どころ満載なのですけど、なかでもちょっとしたご縁で知り合い、何度かお酒の席でご一緒させてもらっている、磯野慎吾さんのキャラクターが何ともすばらしく味わい深い。泣かせるんだ、あの役。
小池栄子さんのマシンガンが似合うさまにしびれた。
千葉哲也さんもかっこよかったなァ。

あと、去年くらいから殺陣を習うようになって、なんとなく今までだったら気づかなかったところを観るようになったのだけど、早乙女太一さんの殺陣さばきの凄さにうなる。
上映前のトークイベントで、脚本家の中島かずきさんが「早乙女くんは刀を抱いて産まれてきたようなもんですからね」と言っていたのもなるほど納得。




「もともと舞台は舞台で楽しむもの」というアタマがあり、それを映画館で観るのって正直どうなの? と懐疑的な気持ちが少なからずあったのですけど、ゲキ×シネはとてもイイですね。
画面から汗と息づかいが伝わってきたよ。
大きな劇場のうしろの席ではなかなか気づかないような、繊細な表情や細かい動きなんかも、スクリーンで観られるというのはなかなか素晴らしいす。
新感線だからこそ、このゲキ×シネに向いているというのはあるのかもしれないけど、いろんな舞台をこういうスタイルで観てみたいな、とも思う。

そして新感線をこれまで観てこなかったことを激しく後悔し、「次の公演は絶対観る!」と強く思ったわけだからな実際。
映像と舞台のしあわせな関係じゃないか。

はーあ。
ふーうう。

ちょっくら木刀もって素振りしてくる!

 

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