効率の優先


いま、いちばん好きな芝居づくりをするユニットといっても過言ではない、城山羊の会『効率の優先』を観に池袋の東京芸術劇場へ。


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 仕事。というか会社の話です。私は会社員を10年やったという経験の持ち主です。ふ。みなさんの中にはアルバイトをしている人も多いでしょう。その目的は言うまでもなく、生活の糧、お金を稼ぐことです。もちろん会社員だってそうです。しかし、昔はお金というより、仕事自体が生きる目的になっている会社員も多かった。今でもずいぶんそうでしょう、国民性でしょうか。「会社」ってなんだったんだろう、って震災後思ったりしています。

 演劇的な抽象や象徴みたいなことでは少しもなくて、ただ単に、例えば、わたしはあなたが嫌いで仕方がない。しかしこの仕事のために好きになる努力をしている。もし、仕事を一緒にしていなかったら、とっくにあなたを殺しているだろう、大げさに言えば。あなたはこの仕事のおかげでわたしに殺されずにすんでいるのだ、みたいなことです。よろしくお願いします。

(青年団の山内健司さんとは別人のかつて会社勤めをしていた山内ケンジ)


そこはかとなく漂う、しっとりとした大人のエロティシズムが毎作品たのしみな城山羊の会なのであります。
今回はオフィスのおはなし。
何気ない、ちょっとした会話のなかに生じた噛み合わなさから、どんどん崩れて行く関係性。
そしてうまれた嘘と事件。

おもしれえなぁ。

なんとなくコーエン兄弟の世界観に通ずる空気を感じるのは、ピーター・ストーメア似の岩谷健司さんのせいか。
序盤はうっすらと匂わせながら影をひそめつつ、クライマックスで噴出した石橋けいさんのフェロモン。
カーテンコールであんなに笑ったの、はじめてだよ。
毎度毎度、キャスティングがほんとうにすばらしいと思うのですね。適材適所かつ、全体のバランスが。

はー。

どうもわたくし、エロス×不条理というのが大好物なようです。
オフィスラブというものに、ボンヤリとしたあこがれもあるようです。

平日の昼間っからムラムラした!
ムラムラしたぞ!

 
YAMAZAKI Kazuyuki (2013年6月12日 16:52)