[酒場めぐり]珍味亭


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ふだん、そんなに肉肉しいものに対する衝動はないのですが、ごくたまに手や口まわりを脂でギットギトにしながら、肉にむしゃぶりつきたくなるときがあるのですね。
そんな荒ぶる肉欲がたまらなくなったときには、西荻窪の台湾料理のお店「珍味亭」に駆け込みます。


油で黒くなったお店に入り、年季のはいったカウンターに座ると、まずおしぼりとにんにく醤油の小皿が出てくるのね。
そしてまずはカウンターの大皿に乗った豚足をひと皿と瓶ビールをたのんで、にんにく醤油をつけながら黙々とむしゃぶりつくしますよ。

カ・イ・カ・ン♡

続いて豚バラとガツスープ。
以前インドネシアに旅行に行ったとき。
現地の人たちでにぎわう小さな定食屋みたいなところにフラッと入りまして。
英語もほとんど通じないようなお店だったのですが、みんながガイサテ(焼き鳥)といっしょに頼んでいる、モツの入った澄んだスープがとても美味そうだったので、「これちょうだい」と指差して注文しました。
これがまたべらぼうに美味しくて、あの味が忘れられねえなとずっと思っておりました。

それから数年後。
ここ珍味亭でガツスープを頼んだときに、「あの味!あの味!」とひとり興奮したのです。
臭みのまるでないスッキリしたスープに、山椒とパセリの葉が浮いていて、豚足の脂を流して五臓六腑に沁みわたるわけよ。

そして味のしみ込んだ固い煮玉子。紹興酒がグイグイすすみます。
はぁ。
至福。

本を読みながらまったり楽しむひとり酒。
ふたりで行ったら生セロリや焼きビーフンなんかも頼みたいところ。
あまりデートには向かないお店かもしれないのですが、こういうお店をいっしょに楽しめる女性にグッときますね。

安くて美味しい、激シブの名店なのです。
ラブ、珍味亭。

 

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