連続おともだち事件


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夜、クロムモリブデン『連続おともだち事件』を観に赤坂レッドシアターへ。

「♪歩きたいのよ赤坂、だっけ?」
「♪思い出語って赤坂、だっけ?」
とか考えながら電車乗っていたら、赤坂見附駅で降りるつもりが赤坂駅に行ってしまって軽くうろたえる。早めに行っててよかったよ。

前にクロムモリブデンの舞台を観たのは、まだ拠点を東京に移してくる前の、ザムザ阿佐ヶ谷でやった公演以来。もう10年以上前か! マジか! 


レンタルフレンドという商売がある。友達として結婚式に出席したり、一緒にスポーツやコンサート鑑賞、キャッチボールもしてくれます。親友として一緒に写真を撮って送ると田舎の両親も大喜び。そんな奇妙な商売が成り立つこのご時世だが、一方おひとり様が好きな人種もいる。引きこもりでは無く、その気楽さを謳歌するタイプである。スマホさえあれば誰かに拘束されることもなく、待ち合わせにイライラすることもなく、メールの返信を催促したりされたりすることもない。ひとりカラオケ、ひとり焼肉、ひとり遊園地、楽しいなあ。そんな極端な世界で起きる「おともだち事件」。

僕達は死ぬまでに誰と会って、何を語って、どこで遊んで、時間を潰すのか。
涙は減った、暴力は増えた!

青木秀樹


カラフルでガチャガチャした悪夢を観ているような舞台。
ティム・バートンみたいな。
細部までじっくり作り込まれた、からだと動きとスピード感と。
独特だ、独特。
唯一無二の圧倒的な世界観。
こりゃ稽古量が多いのも納得するわ。

脚本/演出と役者のあいだ、そしてお客さんとのあいだに信頼関係がみなぎっている感じ。
「ここまでやっちゃってもいいよね?」
「いいよ、やっちゃって!!」
みたいな。


同じ事務所の葛木英ちゃんが、期待の新人として参加したはじめての作品。
「自分のポジションみつけるのに苦労してます」と言ってたけど、もうずっと昔からそこにいるかのような馴染みっぷりであったよ。
自分でももともと劇団を主宰していた英ちゃん。
「こんどクロムモリブデンに入団することになりました」という知らせを聞いたときは、小劇場界に激震が走った。

昨日酒房で会ったばかりの詩森ろばさんとまた劇場で会い、おしゃべりしながらの帰り道。
ここ数年はわりと欠かさずクロムモリブデンの舞台を観ているというろばさん。
劇団として作品を作る良さと、その自信が今回すごく前面に出ていた、とのこと。
たしかに、一枚岩みたいな感じがあったな。

なんか「劇団っていいなー」とひさしぶりに思いました。
いい居場所みつけたね、英ちゃん。

 
YAMAZAKI Kazuyuki (2013年3月18日 22:51)