大きなトランクの中の箱


夜、庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』@森下スタジオを観に行ってまいりましたよ。
同じ事務所の山田伊久磨センパイ、劇団宝船『撫で撫で』でご一緒した飯田一期さん、島田桃依さんが出演しているこの舞台。
なんだかいろいろなところで「すごい」「とにかくすごい」という評判をチラホラ耳にしたので、楽しみにしながら森下駅へ。

この森下スタジオ、つい先月末にも来たばかりだし、ずいぶん前にはワークショップで通ったりもしていたというのに、いつも森下駅の何番出口で出たらいいのかわからなくなって今日も迷った。
もう方向音痴とかいうレベルではない気がするんだよ。
大事な情報をインプットする脳の仕組みに、何かしらのトラップがあるんじゃないだろうか。
未だに奇数と偶数のちがいがわからないし。


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マンションの一室を改造したアトリエ「はこぶね」。
あの私的空間で行われた、過激で猥雑な秘密の公演は、
マンション解体を経て、文字通りのはこぶねとして出航します。


プロセニアムアーチに囲まれ、ビロードの緞帳がかかった舞台にまずワクワクする。
そして客入れの音楽がすごく好みの感じの曲ばかりだったので、その時点で既に楽しくなっている。
お米が大好きなので、おかずがそんなに美味しくなくてもお米が美味しい定食屋だと満足できてしまうし、どんなにおかずが美味しくてもお米が残念だとガッカリする、ということをふと思う。
それと一緒で、いくら面白い芝居でも、選曲のセンスがいまひとつだと残念なんす。
といってもハードルは低めだと思うのだけど、たまに自分のツボにドンピシャの曲が流れてくるとフワッとなるんですよね。知らない曲だとなおさら。

そしてビロードの緞帳が開いてからは、ただただ息を呑むばかり。
衝撃だよ。
ネタバレすると残念なので、奥歯に何かはさまってるみたいな言い方しかできないけれど、もうあれは演劇というカテゴリーではないな。
現代美術とサーカスと秘宝館とおとぎ話がドロドロに溶けたような。
卑猥な悪夢見て、寝汗びっしょりかいたみたいな感じだよ。

もともと「はこぶね」というアトリエで上演していたけれど、老朽化に伴って解体することになってしまい、過去の3つの作品を合わせたのが今回の作品だという。
アトリエでやっていたものも観てみたかった。
今回は森下スタジオで3ヶ月かけて作ったのだとか。
あとでイクマさんから話を聞くと、最初の1ヶ月はタニノさんがずっと一人こもりっきりで構想を練るばかりだったという。


ああ、しかしコレ好きだ。
演者も美術も装置も音楽も、全部がすげえ好きだ。

開演ギリギリだったので最前列で観たけれど、それはそれでよかった。
来週はちょいちょい予定詰まってるけど、なんとかやりくりしてもういっかい観にいこ。
今度はうしろのほうの席で観てみよう。

そしていろんな人にすすめたいな。
関係者でもなんでもないですが。

コレばっかりはマジで観るべし、ですよ!

 

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