国語の時間


昨年夏の人狼イベントでご一緒して、それから互いの食べ物に対する執着心のつよさでいろいろつながっている、詩森ろばさんが主宰している劇団、風琴工房の舞台『国語の時間』@座・高円寺を観に行ってまいりました。
『撫で撫で』以来の座・高円寺。
徳島中華そばの店「JAC」でラーメンライス食べてから観劇。
やっぱりあそこ、美味いや。


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どうして私はそこで
恥じいらなくてはならぬのか。
おお悲しき国語の時間よ。
(文炳蘭)

「国語の時間」は、一九四〇年代、
大日本帝国の統治下にあった京城の小学校を舞台に、
朝鮮人でありながら、日本語を「国語」として教える
教師たちの群像劇です。
劇作家は、数々の新人戯曲賞を受賞し、
岸田戯曲賞の最終候補に二度まで選ばれながら、
自身の演劇活動を停止していた小里清。
三年以上の年月をかけ、
上演のあてもなく書き上げた渾身の戯曲を、
歴史と人間を扱う確かな手つきに定評のある
風琴工房の詩森ろばが演出し、
充実のキャストで上演致します。


骨太な社会派の作品。
ろばさんの太くて強くて気高い美意識とメッセージが、余すところ無く充ちていたよ。
はじめて会ったとき、たたずまいと雰囲気がピナ・バウシュに似た人だなぁと思ったのだけれど、あながちその直感は間違っていなかった気がしました。
作品がピナっぽいというわけではないのだけれど、あたたかくも厳しい愛情の注ぎ方に、同じ香りを感じたんす。なんとなく。

日常の隣り合わせに奈落が口をあけていて、血痕のようにベッタリとしみ込んでいる日の丸がベースにある舞台装置もとてもすばらしい。

休憩はさんで3時間ということだったけれど、ぐいぐい引き込まれてあっちう間でした。
やあ、今日もまたいい作品を観た。


終演後、ろばさんに「JACのわすれものが残ってるよ」と指摘された。
ラーメンの汁を口もとにつけたままのまぬけな顔で、社会派の作品観ていたと。
なんだかなァ。
なんだかなァ、だよ!

 
YAMAZAKI Kazuyuki (2013年2月23日 16:56)