武!武!武!


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水曜日。

『アウトレイジ ビヨンド』の公開に合わせ、早稲田松竹にて北野武監督作品の特集上映をやっていたので観に行く。
『その男、凶暴につき』(1989年)『3-4×10月』(1990年)『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年)と、初期の作品3本立て。
映画館のTwitter情報によると、けっこう混雑するみたいなので朝10:30の回から観に行く。


まずは『3-4×10月』。これは初見。
いましろたかし先生の世界観を彷彿とさせる、淡々としたゆるやかな時間のなかに流れるユーモアと狂気がなんともたまらぬ。
トカちゃんの○を○○るシーンで、でかい○○でゴンゴンとやる場面など、秀逸。
陰惨な場面のはずなのに、あまりのバカバカしさに脳がゆれた。
インテリ風情のヤクザの幹部役、豊川悦司さんがまァ艶っぽくてかっこいいこと。あの頃いくつくらいだろう。


ドトールでミラノサンドとアイスコーヒー買って、続いて『あの夏、いちばん静かな海。』。
これは以前CSでやっていたときに観たけど、大きな画面で観るのははじめて。
聾唖のふたりの、切なくあたたかい物語。
悪いひとがひとりも出てこない映画。
Wikipediaにはこんなことが書いてあった。

映画評論家の淀川長治は「ビートたけしと言う人は、お年寄りのことを馬鹿にしたりするので嫌いだったが、この映画を観て考えが変わった、一度会いたい」という旨の発言をしている。
その後、映画雑誌でのインタビューにおいて、「あのね、日本の映画の歴史の中でね、一番言いたいくらいあの映画好きなのね。なんでか言うたらね、あれってとってもサイレントなのね。サイレントだけど見とったらラブシーンが一番いいのね」との賞賛を残した。

ふむふむ。


そして『その男、凶暴につき』。
これも何度か観ているけれど、映画館ではじめて観る。
はぁー。
役者・北野武の凄みをあらためて感じる。
この映画以前と以後で、映像で描かれる暴力の歴史が変わったんじゃなかろうか。国内外含めて。
すごいよ。こわいよ。
白龍さん、こわいよ!
そして白痴の妹を演じる川上麻衣子さんのエロティシズムよ。ふぁー。


しかし、さすがにこの3本立てはなかなかすごくて、観終わってしばらく頭がグヮングヮンしてしまった。
すごいな、北野監督。
『その男〜』と『あの夏〜』の振れ幅たるや。


帰り道、駅のトイレの個室で男2人がなにやらもめてる会話が聞こえるので「事件か! 白い粉か!」とハラハラしてたら、清掃のおじさんたちが話してるだけでした。

はー。


 

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