風の吹く夢

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THE SHAMPOO HAT『風の吹く夢』@下北沢ザ・スズナリを観に行ってまいりました。
先週、仕込みの現場にカレーをお届けした公演。
なんだかずいぶん前のことのような気がするな。

劇団を旗揚げしてから約18年。幾人が辞め、幾人が加わり、そしてまた幾人が辞め。三日に一度は解散のことを考える。今に始まったことではない。もう10年くらいその繰り返しだ。建設的に合理的に考えれば辞めればいいに決まっている。それでも辞めない。惰性なのかもしれない。夢や希望などない。不倫に悩むOLのようだ。それでもまた誰に頼まれた訳でもなく劇団。泣きながら抱かれる。不本意なエクスタシー。これで終わりにしたい。祈りの本公演。乞う御期待。
赤堀雅秋

どうやらいつものTHE SHAMPOO HATとはちょっと違う、という評判はほんのり伝わってきた。
ずっと前から欠かさず観ている、というわけではないのですが、赤堀さんの作品はドロリとした倦怠感と死の匂いが漂う印象。

自分史の中でも、いや演劇史でも、稀にみる「どうでもいい話」ではないだろうか。。
凡庸なオッサンたちの、驚くぐらい凡庸なロードムービー、といったところか。

人が死なない、人を殺さない作品は久しぶり。
2014年9月5日「風の吹く夢日記5」より


この「どうでもいい話」というのが、思った以上にどうでもよかった。
出てくる人出てくる人がみんな人間くさくて、滑稽なんだけれども愛おしい。
ああ、好きだよこの感じ。
淡々かつグダグダしていて、何も事件はおこらないんだけど、いつまででも観ていたいような。

なんだろう。
積み重ねてきた時間の重みから生まれる、渋さと味わいを堪能しました。

超かっこよかったす。
もう1回観たいな。

 
YAMAZAKI Kazuyuki (2014年9月17日 16:22)