わたしの狂犬百景

夕方からMU『狂犬百景』を観に原宿VACANTへ。

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ひさびさに行く原宿。
VACANTは竹下通りを抜けたほうが近いかな、と思って行ったら、三連休中日の竹下通りはどえらい混雑っぷりで「初詣かよ」とつぶやいた。
財布をすられまい......とショルダーバッグを前にもってくる、ぬぐえない地方出身者の性。


東京の街から、どこにも行けない。
犬たちに囲まれながら育まれる、数えきれない風景。

コンビニ、          
製菓会社のオフィス、    
漫画喫茶、      
ペットショップ、    
駅のホーム、  
etc...  

哀想で凶暴な犬たち、その数は増え続け誰にも止められない。
ただ、ただ、噛まれないように、
立て篭る人、
狩りを始める人、
現実を確認するために犠牲者を出す人、
動物愛護を訴える人、
新しい基金を設立する人、
戦う人、
逃げ出す人、
関係ないことで争う人、
当てた宝くじを換金しに行く人、
公共料金を払いに行く人、
本当に好きな相手に気付く人、
瞑想に耽る人、
不倫を清算する人、
理不尽さを享受する人、
ブリーダーとして犬を育てる人、
etc....

わたしたちの狂犬百景。


ひさびさのMUの公演は、去年の暮れくらいから「地下稽古」と称していろんな役者を集め、エチュードをいろいろやっていた活動の集大成。

タイトルもチラシもすげえイイな、と思ってたのですけれど、ふと思えば前回観たのは『やっぱり猫が行方不明』......地下稽古は動物シリーズなの?

4話のオムニバスからなる集団劇は、4つの話がそれぞれ異なる色合いを見せて、最後それが交錯しあって迎える結末。
アユムくんらしい、あいかわらずエッジの効いてることばの数々にまた今回も唸る。
そしてはじめて拝見するけどすごくステキだなぁ、と思う役者さんが何人も。
あの人どんな人?どこかの劇団の人?などといろいろ聞いてみたくなる。


自分もこの地下稽古に何度か参加して「狂犬に囲まれてコンビニに籠城する人たち」というエチュードをやったりしまして。
あれがああなったのかぁ、と思うこといろいろ。

稽古が終わったあとにみんなで餃子をつつきながら、大学生のころインド旅行に行ったとき狂犬病の犬に噛まれた、というエピソードを話したら、それがそのまま登場人物の設定に活かされていたのでひとり笑ってしまった。
それ俺だよ俺俺、と思ったね。

噛むよね、犬。


 

YAMAZAKI Kazuyuki (2014年11月23日 21:25)