幕が下りる。


遅ればせながら、ごあいさつ。

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MU『少年は銃を抱く』@下北沢駅前劇場、おかげさまで無事全日程を終了いたしました。

SNSやブログ、直接お会いして聞いた感想の数々、賛否両論どちらもありがたく受け止め、しみじみと反芻しながらいつもの日常に戻りつつあります。
とはいえ、ほぼ連日下北沢に通ってるのは変わらずなので、日常と非日常のボーダーラインが融けてます。


舞台が始まるにつれて「なんかMU、面白いらしいぞ」と口コミで評判が広がり、後半は特にチケットが取りにくくなるという、ありがたいやら申し訳ないやら。
ご来場いただいたお客さま、本当にどうもありがとうございました。

そして支えてくれたスタッフのみなさま、頼もしい共演者のみんな、作演出のアユムくん、おつかれさまでした。


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今回演じた「野崎」という役どころは、嫁と子供がいながらも教え子のJK(女子高生)に手を出し、テキトーにつきあってはみたものの「日常」が壊れるのが怖くなってテキトーに別れ、女子更衣室を盗撮するだけの生活に戻ったサイコパス体育教師、というなかなか香ばしいキャラクターでして。
「ボクシングやってたんでホントはめっちゃ強いんスよ」と吹かしてるけど、居酒屋でケンカして鼻を折られ、右手は高校生に絡まれケガして。

当日パンフレットの配役紹介のところには
野崎(体育)...ぬるぬるしてる。水をよく飲む。(山崎カズユキ)
と記載されてました。なんだその紹介。動物図鑑か。


なんせ少年が「銃」を抱くに至ったものがたりの軸になる役割だったので、いかにお客さんに嫌われ、いかにキッズたちを輝かせるかがキモだなぁと思っておりました。
昨年の秋、空飛ぶ猫☆魂『I LOVE LIFE』で演じた「ミシマくん」の、無邪気でまっすぐなキャラクターでお客さんを味方につけたのと真逆のベクトルで。


でもね。

どうもこういうゲスな役どころ、得意みたい。
いろんなエチュードやってるなかで産まれた、ヤマザキ春のゲスまつりだったのですが、嬉々としてやってたかも。
「"なかよし"しようか」と言って娘にいやらしいことをする父親とか。
別れた彼女の弟の部屋に来て金をせびるクズ彼氏とか。


演出のアユムくんからは連日「もっとヌルヌルして」「足りない、ヌルヌルが全然足りない」とダメ出しをされて、ヌルヌルってなんだよと思いつつ。
開演して1時間40分くらい、21人の登場人物のいちばん最後に「ラスボス登場って感じで」出てくるので、とにかく身体が硬くならないよう、いつもよりも入念に劇場ロビーでストレッチしてました。


「こんな学校はいやだ」的な、誰ひとりとして真っ当な先生がいねえじゃねえかと思う職員会議のシーンからはじまり。
佐野功くん演じる佐川先生とのひそひそ変態会議でのスマートクズとのコントラストから、JKの鳴海ちゃんをニヤニヤ見つめるくだり。
学校に乗り込んできた、斉藤マッチュくん演じる晴臣と対峙する場面のヒリヒリするやりとり。

どれも痺れたなぁ。

観に来てくれた友だちから「役者冥利につきますね」との感想をもらったのですが、まさにそのとおり。


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下北沢で始発が出るまでみんなと呑みあかし、帰りの電車で寝落ちしてなぜか朝8時に神田で目をさますという「打ち上げあるある」をはさんだあと、ちょっと仮眠して代々木公園の桜の下で、打ち上げの追加公演。

酒呑んでフリスビーやって、UNOやって酒呑んでケイドロやって、酒呑んで人狼やって、と。
結局23時くらいまで遊びたおした。


やあ、つくづくいい座組でした。
21人てんでバラバラな個性なんだけど、舞台のオモテでもウラでも同じ方向を向いて、得意技をぶつけあってる感じがすげえ楽しかったっす。
どんな球を放ってもしっかり受け止めてくれる安心感があったので、思い切りブン投げられた感がありますね。


またいつか再集結して再演したいですね。
スピンオフもいくらでも浮かびそうだよ。
いつでもゲス役やるよ。


それでは。
ありがとうございましたー!!!!!!!