カタチ資料室

土曜日。

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大学のころの同級生の陶芸作家、島田篤くんの個展「カタチ資料室」が西荻窪のギャラリーみずのそらではじまったので、初日に行ってきまして。


いろんなカタチのオブジェがたくさん並んだ、まさに「資料室」。今回の島ちゃんの肩書きは「室長」だそうです。
ひとつひとつちがった質感なんだけれど、ちょこちょこ美味しそうなものがまぎれてる。眺めているだけで楽しい気分になってきます。
島ちゃんの人柄がにじみ出てるね。


オープニングパーティーということで、ギャラリーの奥のカフェスペースで、島ちゃんの奥さんやギャラリーのオーナーの小峰さん、お友だちのアーティストさんや、大学の同級生など、いろんなジャンルの人たちが入り交じってごはんを食べてお酒を呑む。

なんという豊かな時間なのでしょうか。
ゴキゲンになってお酒をいただきました。


結婚式の司会を頼まれ、頼りないながらも務めさせてもらったこともありました。
そんな島ちゃんも今ではすっかりいいパパに。

今はもうなくなってしまった、早稲田大学の第二文学部という夜間の学部で、変な人たちの多い早稲田のなかでも、とりわけコアな人たちが集まる吹きだまりみたいなところだったのですけれど、なかなかどうして面白い人がたくさんおりまして。
卒業してしばらく経つけれど、つかず離れずといった距離感で、時折一緒に酒を呑みながら近況報告をしあってよい刺激を与え合ったりしているのです。

ろくに授業も受けず、単位もギリギリでかろうじて卒業したという不真面目な学生ではあったけれど、あのときに知り合った友だちは今でもたいへん素晴らしい財産だなと思うわけですよ。


ああ、いい酒だった。
よっしゃ、がんばろうと気持ちも新たになりました。


この「カタチ資料室」は25日の日曜日まで開催してるので、よかったらのぞいてみてくださいな。

なかなかホッコリしますよ。
 

 


はじまりは人間関係

土曜日。

話題の酔っぱらいムービー『ワールズ・エンド』を観に行ってきましたよ。

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「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(07)のエドガー・ライト監督と主演サイモン・ペッグ&ニック・フロストのトリオが、母国イギリスを舞台に描くSFコメディ。20年前、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に失敗したことが忘れられないゲイリーは、再挑戦するために当時の仲間アンディら4人を集め、故郷ニュートンヘイブンに舞い戻る。やがて5人は、町の人々の様子がおかしいことに気づくが、戸惑いながらもひたすら12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける。

といってもただ観てきただけではありませぬ。

「昼くらいから映画観て、そのあと渋谷でパブめぐりしようぜ!」と盛り上がった友だち、総勢7人での呑んだくれツアー。

まずは午前10時半に、渋谷パルコの前で待ち合わせをして、チケットを押さえるところから。
5人組でチケットを買うとひとり1,000円になるという特典に乗っかる。
そして映画は12時45分から。
映画と提携して、スタンプラリーを実施している渋谷のパブが12軒あるのですが、さすがに11時くらいではまだどこもやっておらず。
そんな早くからビール呑めるところあるの?と思ったら、「人間関係」という素敵なお店がありました。いい具合のパブ気分で、まずは1パイント。
そして12時からオープンするお店があったので、遅れて来る仲間たちと合流すべく移動。

その途中にタッチパネルでオーダーをすると、ベルトコンベアーに乗って寿司がシュッと届くという謎の"回らない寿司"というのがあって、ちょっと立ち寄ってみるという自由さ。
なんだこの近未来!おもしれえー。
パブの合間に寿司つまんで、気分は外国人観光客。
トキオ、タノシイネ。
2貫ほど食べて、お店をサッと出る。

続いて2軒目。1/2パイント。映画がはじまっちゃう!というので慌てて呑んで移動。

そしていよいよ本題の映画へ。
渋谷シネクイント、にぎわっていたよ。お客さんがみんなあったかい感じで、ゲラゲラ笑いながら観る。
なんともビールが呑みたくなる、いい感じのばか映画。
とにかくビールが美味そうなんだよ。
最後はちょっと胸熱くなったり。



みんな思い思いの感想を抱えつつ、とにかく一刻も早くビールを!とすぐ近くの加盟店へ。そこで1パイント。
ガッシャーン!と景気良く乾杯したくなりますわナ。あれ観た直後は。
フィッシュ&チップスやビーフジャーキーをかじりながら吸いこみよく呑んで、もう一杯呑みたいなと思う気持ちを押さえて次の店へ。

お次はいろんなビールを取り揃えている、ちょっとおしゃれ目なお店で志賀高原のエールを1/2パイント。

そしてちょっと歩いて、次はまた1パイント。もうけっこうお腹タプタプ気味だったので、目先を変えてハイボールかレッドアイにでもしようかと思ったけれど、ハッピーアワーのことばに釣られてさらに1パイント。

この時点でまだ17時くらいだったのですが、肉が食いたいという声が出てきたので、このへんでパブめぐりはいったん中断して、渋谷の「肉横丁」というところへ。
「肉の焼き具合は俺にまかせろ」という肉マイスターがいたので、すべておまかせしてたらふく肉喰ってマッコリ呑む。うへえ、楽しい。

そのあとはなぜか「腹ごなし、腹ごなし」と言いながらカラオケへ。
大いにはしゃいでカロリー消費。


とりあえずパブクローリングの会はそのへんで解散することとなったのですが、残った数名で「六本木アートナイト」へと。
また別の友だち何人かとここでまた合流。
今年のコンセプトは「動け、カラダ!」ということで、体感型アートが多いということだったけれど、人気のイベントは人でごった返していたのであまり体感はできず。
でもお祭り気分で楽しい。
知り合いにバッタリ会ったり。
屋台的な出店で一杯ワイン呑んで立ち話。


なんだか箇条書きみたいな記録だけど、相当もりだくさんな日でございました。
ダラダラダラダラと、酒何杯呑んだことやら。

はーあ。たのしかった。

 

大きなトランクの中の箱


夜、庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』@森下スタジオを観に行ってまいりましたよ。
同じ事務所の山田伊久磨センパイ、劇団宝船『撫で撫で』でご一緒した飯田一期さん、島田桃依さんが出演しているこの舞台。
なんだかいろいろなところで「すごい」「とにかくすごい」という評判をチラホラ耳にしたので、楽しみにしながら森下駅へ。

この森下スタジオ、つい先月末にも来たばかりだし、ずいぶん前にはワークショップで通ったりもしていたというのに、いつも森下駅の何番出口で出たらいいのかわからなくなって今日も迷った。
もう方向音痴とかいうレベルではない気がするんだよ。
大事な情報をインプットする脳の仕組みに、何かしらのトラップがあるんじゃないだろうか。
未だに奇数と偶数のちがいがわからないし。


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マンションの一室を改造したアトリエ「はこぶね」。
あの私的空間で行われた、過激で猥雑な秘密の公演は、
マンション解体を経て、文字通りのはこぶねとして出航します。


プロセニアムアーチに囲まれ、ビロードの緞帳がかかった舞台にまずワクワクする。
そして客入れの音楽がすごく好みの感じの曲ばかりだったので、その時点で既に楽しくなっている。
お米が大好きなので、おかずがそんなに美味しくなくてもお米が美味しい定食屋だと満足できてしまうし、どんなにおかずが美味しくてもお米が残念だとガッカリする、ということをふと思う。
それと一緒で、いくら面白い芝居でも、選曲のセンスがいまひとつだと残念なんす。
といってもハードルは低めだと思うのだけど、たまに自分のツボにドンピシャの曲が流れてくるとフワッとなるんですよね。知らない曲だとなおさら。

そしてビロードの緞帳が開いてからは、ただただ息を呑むばかり。
衝撃だよ。
ネタバレすると残念なので、奥歯に何かはさまってるみたいな言い方しかできないけれど、もうあれは演劇というカテゴリーではないな。
現代美術とサーカスと秘宝館とおとぎ話がドロドロに溶けたような。
卑猥な悪夢見て、寝汗びっしょりかいたみたいな感じだよ。

もともと「はこぶね」というアトリエで上演していたけれど、老朽化に伴って解体することになってしまい、過去の3つの作品を合わせたのが今回の作品だという。
アトリエでやっていたものも観てみたかった。
今回は森下スタジオで3ヶ月かけて作ったのだとか。
あとでイクマさんから話を聞くと、最初の1ヶ月はタニノさんがずっと一人こもりっきりで構想を練るばかりだったという。


ああ、しかしコレ好きだ。
演者も美術も装置も音楽も、全部がすげえ好きだ。

開演ギリギリだったので最前列で観たけれど、それはそれでよかった。
来週はちょいちょい予定詰まってるけど、なんとかやりくりしてもういっかい観にいこ。
今度はうしろのほうの席で観てみよう。

そしていろんな人にすすめたいな。
関係者でもなんでもないですが。

コレばっかりはマジで観るべし、ですよ!

 

天才でごめんなさい


先日、友だちに誘われて『会田誠展 天才でごめんなさい』@森美術館にようやっと行ってきましたよ。





奇才 会田誠の全貌が明らかに!

会田誠は、今日最も注目されている日本の現代アーティストのひとりです。その作品は、グロテスクでエロティックな作風を見せたと思えば、一方では政治的、歴史的な課題への鋭い批評性を見せます。また日本の現代社会を投影しながら、同時に伝統的な美術作品や様式も多く参照されています。ただ、その作品を俯瞰してみると、この多義性こそが日本社会の縮図のように見えてくることも事実です。会田誠の美術館での初個展となる本展では、デビュー以来20年以上にわたる会田の混沌の全貌を、新作を含む約100点を通して明らかにします。


すげえなぁ。
ポァーッと、阿呆みたいに口あけて観てたと思う。

「ジューサーミキサー」や「灰色の山」など、平面なのに立体に見えてくる緻密な大作に、鬼気せまるものを感じて動けず。
「ジャンブル・オブ・100フラワーズ」「切腹女子高生」のようなポップでグロテスクなものも大好き。
絵画にとどまらず、縦横無尽にかけめぐる作風。
会田誠さん、何人かいるんじゃないだろか。

すげえなぁ。

会期が終わるギリギリに間に合ってよかったけれど、ドキュメンタリー映画『駄作のなかにだけ俺がいる』を観てから行きたかったな。

ふー。
なんか、汗かいた。