ともだちのつどい


昨日も観に行った『ともだちのそうしき』ですが、1日3ステージ、毎日ちがう組み合わせのステージが上演されるのですな。
今回はさらに番外編として、いつも仲良くさせていただいている噺家さんの林家きく麿師匠が、この朗読劇をモチーフにした新作落語を一席。
さらに前座として、作・演出の仗桐安氏(タカタン)がきく麿師匠の手ほどきのもと、古典落語をやるという、ね。

こりゃ、観にいくしかないでしょ。

もともとエロいい声のタカタン。
林家彦いち師匠や三遊亭白鳥師匠をちょっと彷彿とさせる体型&髪型なので、着物も似合うだろうなぁと思っていたけれど、『ともだちのそうしき』ということで喪服を着ての一席。
「携帯電話の電源はお切りください」という毎度おなじみの開演前の諸注意からのながれでスイーッと自然にはじまる。
お、「子ほめ」だね。
見える、見えるぞタカタン!
あの間抜けやご隠居など、いろんな人が見えてくるぞ!
やあ、おもしろかったなぁ。すげえや。

そしてきく麿師匠の落語版『ともだちのそうしき』。
話のラインも台詞もほぼ男×男バージョンの朗読劇と変わらぬ落語版。なるほど!斬新な切り口。
くだらねえ場面からちょっとしんみりさせるところまで、高低差がすごいよ。
緩急がギュンギュン。
男×女バージョンの落語版もちょっと観てみたい。師匠の女性キャラも好きなので。

はー。
なかなか懐の深い戯曲なのだな、とあらためて思う。


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夜、予備校時代の友だちと新宿の居酒屋でひさびさに会う。
代々木ゼミナール新潟校にいたときの仲間。
1年間の浪人生活は親元を離れて寮生活だったので、なかなかコアなつきあいをした友だち。
あの1年は自分のなかでも特別な時期で、阿呆みたいに楽しかったのですな。
毎晩誰かしらの部屋に入りびたってウダウダしたり、カラオケに行ったり。勉強しろよ浪人生、という感じだったのですけどね。

6年ぶりくらいに会う仲間はあいかわらず。
当たり前ではあるけれど、もう2人ともすっかり社会人になっていて、もうスーツじゃないと逆に落ち着かないとのこと。
こちとら相変わらず浪人生みたいな格好だったよ。
むしろ浪人生よりも浪人生っぽかったよ。

ひとりはすっかりいいパパになっていて、ひとりは離婚してしまって。悲喜こもごもだよ。
まァ、言っちゃなんだけどどちらも想定の範囲内のことではあったのであんまり驚かない。
昔ばなしに花がさき、「アイツいま何してんだっけ?」「あー、野球部の監督とかやってそうじゃねえ?」とひとしきり盛り上がる。
『ともだちのそうしき』も、基本的には共通の知り合いの昔話でもりあがる、というストーリーなので、なんだかずっと地続きな感じ。

そして3人とも新潟生まれのなかなかの酒呑み。
日本酒がクイックイすすむんだよ。
呑むんだよ。
そしてカラオケに行くよね。

この予備校のころが第一期カラオケはまり時代なのだけど、自分の合いの手入れたがり&ハモリたがりのクセはこの時期に産まれたものだと気づきました。
「恋をとめないで」「ZOKKON命」唄ったときの勝っちゃんのヨイショ具合が、自分とまるで一緒だったのだもの。
そうだったのかー。

やー、しっかし楽しかったな。
何にも気ィ使わないラクな仲間だ。
また数年後に会おうぞ。

その頃も自分は浪人生みたいな格好してんのかしら。

 

[酒場めぐり]山角


ライブ終わって泥のように眠り、午後になってようやくズルズルと人間のかたちに。
下北沢から散歩がてら歩いて、RONNIE ROCKET Speaking #1『ともだちのそうしき』観に行く。
先日結婚式をあげたばかりの立浪伸一(はらぺこペンギン!)×渡辺詩子ペア。

今回は"リーディング"ではなく"スピーキング公演"とうたってのことだったけれど、どう違うのかなというのも楽しみに観る。
なるほど。
ただ台本を読むばかりではなく、動きを入れたり、身体的に自由な感じでやっていた。
そして夫婦のはじめての共演ということもあって、どんな呼吸の合わせ方をするのかというのもまたひとつの楽しみではありましたけど、ほんと仲良しだな、とあらためて思う。
温度が近いというか。発する香りが同じというか。
おみやげにラスク持ってったら、キャッキャして同じリアクションしてたよ。
ワンコとニャンコ。


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はらぺこペンギン!のメンバーのみんなも観に来ていたので、終演後ちょっとメシ食っていこうぜ、ということに。立浪詩子夫婦ものちほど合流。

下北沢まで歩いて「山角」に行きましたよ。

ここはBUDOKANに近いということもあり、長い夜のまえの腹ごしらえに、ハムエッグ定食だのちくわ磯辺揚げ定食だの食べに来たことはあったけれど、そのたびにちょっとつまみながら一杯いきてえな、と思っていたのでした。

下北沢にオープンした理由は「身の丈に合う街だと感じた」から。「高年齢層のサラリーマンが多かった有楽町とは違い、下北沢は年齢層も職種も幅広い。独特な雰囲気を持ったお客さんが多く、画一的ではないのも魅力」とも。今後については、「どんな街にも一軒はある庶民的な定食屋になりたい」と話す。

もともと下北沢には「三福林」という定食屋さんがあって、観劇帰りに明太オムレツ定食や茄子と豚肉のごま炒め定食だのをしっかり食べられるので大変気に入っていたのですけど、それがしばらく前に閉店してしまったのですな。
他にもカレーやラーメンなど、下北沢にはいろいろ美味しいお店はあるのだけど、米とみそ汁をしっかり食べたいときにちょうどいい店がなくなってしまい、悲しみにくれていたのでした。
そこの隙間にスッと入ってきたのが、この山角だよ。

ハムカツとか。
揚げ茄子ポン酢とか。
赤ウインナーとか。
チキン南蛮とか。

ごはんのお供としてもたまらぬひと皿をつまみながら、ハイボールやチューハイを呑めるという。
くさやを練り込んだチーズ、通称"くさチー"が美味かったな。
日本酒がクイックイすすむわけよ。

そして20時からの『ともだちのそうしき』を観終えたあとの友だちがフラリと遊びに来たり。
なんだよ、みんな好きだね。
美味しいもんね。


今宵もいい酒呑みました。
ごちそうさまでした。


 


のど自慢


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ほんじつ、いよいよ太田太ライブ。

いささか興奮もしていたのか、ゆうべはなかなか寝つかれず。最近すっかり夜型生活だな。
実家のパン屋ソフィーから大量に送られて来た宅急便に起こされる。
そしてライブ会場でふるまうつまみを作る。

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[本日のおしながき]
□ソフィーのパン3種
□水菜と塩こぶとツナのサラダ
□イタリアンきんぴら
□コンビーフポテトサラダ

20人弱くらいになりそうということで、どれだけ作ったらいいもんかわからなかったけど、ひとまず作りなれてる鉄板メニューにしてみたよ。
水菜はざくざく切ってタッパーに入れて、直前に会場で塩こぶ・ツナ・白ごま・レモンと和えるだけ。
タッパー3つに大量のパンと、なかなかの大荷物を抱えて家を出る。


サロン・ド・サルガクでまずライブをやっているふとし君と合流。
ほんとはもっと早めに行って、ふとし君のライブ観たり、ゲッターズ飯田さんに占ってもらったりしたかったのだけれど、もたもたとつまみの仕込みをしているうちに時間がなくなってしまった。

そして夕方6時ころに恵比寿へ。
カレー食って腹ごしらえしてから、会場の「Ya Ya ebisu」へ。
こじんまりとした感じで、ゆったり音楽を楽しめる素敵バー。
おーたこーじ君もやってきて、まずさっそく軽く音を出してみる。
つまみをテーブルに並べたり、ワサワサとしているうちに開場。
お客さんがぞくぞくとやってくる。

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とりあえずナニ着て唄おうかなァと思っていたのだけど、事務所のデスクのイトーさんから「イベントでコレ使ったらいいよ」と、NHKのど自慢の手ぬぐいをもらったので、前かけ締めて手ぬぐいぶらさげるいつもの酒房スタイルで臨む。


第1部はあらいふとし君のコーナー。
第2部がわたくしのトークと歌のコーナー。
第3部がおーたこーじ君のコーナー。

それぞれ持ち歌は4曲ずつ。
わたくしのセットリストは
□恋をとめないで(COMPLEX)
□人間食いてえ(あらいふとし/はらぺこペンギン!『愛の蟻地獄』より)
□なごり雪(イルカ)
□アジアの純真(井上陽水奥田民生)

□愛し愛されて生きるのさ(小沢健二)☜おーたこーじ君のアコースティックver.にコーラスで。
□ワッチュアネーム(あらいふとし)☜ラストにみんなでいっしょに。

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まぁ、すこぶる楽しかったわけですよ。
最初に2人といっしょに秋葉原のカラオケ館でリハをしたとき
まずしょっぱな「恋をとめないで」唄った瞬間に、こりゃ楽しいライブになるゾとワクワクが止まらなかったのですけど、本番は予想以上に楽しかった。
どのお客さんよりも楽しそうにしてたね、と言われたよ。
そりゃそうだよ。
おーた君に「自分が唄ってないとき、間がもたなくないですか?」と訊かれたけど、いちばん近い席で2人の演奏が聴ける贅沢を堪能しました。お客さんとして。

トークタイムはまァゆるい感じでした。
はじめて買ったCDは何ですか、とか。
俳優をはじめたきっかけとか。
実家のパン屋のこととか。
プロフィールに書いてある「特技:インド太鼓」ってコレどういうことですか、とか。

おつまみもすこぶる好評でありました。みんなペロリとたいらげてくれて非常にうれしい。
はじめて会う人たちにいろいろ召し上がってもらって、美味しいと直接言ってもらえるのは至福。
「こんなにいろいろ出ると思ってなかった」「つまみというより、食事」等。


終わったあとは、観に来てくれた友だちも交えて思うさま打ち上がったよ。
ライブの前はほんの若干お酒も控えめにしていたので、もう楽しいお酒がすすむ、すすむ。
今日は朝まで呑むつもりだったというふとし君とトコトンつきあう。
途中で下北沢に移動し、朝5時まで呑んだけれど、朝の井の頭線で行ったり来たりしてしまい、家についたのは10時ころという、ね。
魔物がいたよね。
妖怪時間泥棒。

はあ。
楽しかったす。
また唄いたいなぁ。

 

大きなトランクの中の箱


夜、庭劇団ペニノ『大きなトランクの中の箱』@森下スタジオを観に行ってまいりましたよ。
同じ事務所の山田伊久磨センパイ、劇団宝船『撫で撫で』でご一緒した飯田一期さん、島田桃依さんが出演しているこの舞台。
なんだかいろいろなところで「すごい」「とにかくすごい」という評判をチラホラ耳にしたので、楽しみにしながら森下駅へ。

この森下スタジオ、つい先月末にも来たばかりだし、ずいぶん前にはワークショップで通ったりもしていたというのに、いつも森下駅の何番出口で出たらいいのかわからなくなって今日も迷った。
もう方向音痴とかいうレベルではない気がするんだよ。
大事な情報をインプットする脳の仕組みに、何かしらのトラップがあるんじゃないだろうか。
未だに奇数と偶数のちがいがわからないし。


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マンションの一室を改造したアトリエ「はこぶね」。
あの私的空間で行われた、過激で猥雑な秘密の公演は、
マンション解体を経て、文字通りのはこぶねとして出航します。


プロセニアムアーチに囲まれ、ビロードの緞帳がかかった舞台にまずワクワクする。
そして客入れの音楽がすごく好みの感じの曲ばかりだったので、その時点で既に楽しくなっている。
お米が大好きなので、おかずがそんなに美味しくなくてもお米が美味しい定食屋だと満足できてしまうし、どんなにおかずが美味しくてもお米が残念だとガッカリする、ということをふと思う。
それと一緒で、いくら面白い芝居でも、選曲のセンスがいまひとつだと残念なんす。
といってもハードルは低めだと思うのだけど、たまに自分のツボにドンピシャの曲が流れてくるとフワッとなるんですよね。知らない曲だとなおさら。

そしてビロードの緞帳が開いてからは、ただただ息を呑むばかり。
衝撃だよ。
ネタバレすると残念なので、奥歯に何かはさまってるみたいな言い方しかできないけれど、もうあれは演劇というカテゴリーではないな。
現代美術とサーカスと秘宝館とおとぎ話がドロドロに溶けたような。
卑猥な悪夢見て、寝汗びっしょりかいたみたいな感じだよ。

もともと「はこぶね」というアトリエで上演していたけれど、老朽化に伴って解体することになってしまい、過去の3つの作品を合わせたのが今回の作品だという。
アトリエでやっていたものも観てみたかった。
今回は森下スタジオで3ヶ月かけて作ったのだとか。
あとでイクマさんから話を聞くと、最初の1ヶ月はタニノさんがずっと一人こもりっきりで構想を練るばかりだったという。


ああ、しかしコレ好きだ。
演者も美術も装置も音楽も、全部がすげえ好きだ。

開演ギリギリだったので最前列で観たけれど、それはそれでよかった。
来週はちょいちょい予定詰まってるけど、なんとかやりくりしてもういっかい観にいこ。
今度はうしろのほうの席で観てみよう。

そしていろんな人にすすめたいな。
関係者でもなんでもないですが。

コレばっかりはマジで観るべし、ですよ!

 

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