幻戯【改訂版】


「劇」小劇場にて、鵺的『幻戯【改訂版】』観てまいりました。
ひさしぶりに行く「劇」小劇場。

以前所属していた劇団、ベターポーヅではじめての舞台『カエルとムームー』に出たのがこの劇場でした。
ブーメランの水着で車いすに乗る、というラストシーンの前に、こっそりトイレでジンジロ毛のチェックしてから舞台に出たよな、と懐かしい記憶がよみがえる。
98年か......もう15年も前かよ。マジかよ。


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時代に取り残されたような遊郭で
女を知らない男はふたりの娼婦と出会う
その日から彼らのなかで
何かが歪み
何かが軋み
見えなかった
見たくなかったはずのものが
おぞましくもうつくしいその姿をあらわしはじめた

はじめて観る鵺的、なかなかヒリヒリする感じの舞台でありました。
互いが発することばの矢印の行き先を丁寧に丁寧に紡ぎ上げた、ヌラリとした肌触りの作品。
キャストの秋澤さんのブログより引用。

顕史郎さんに言われました。
「この作品はみんなで大きなひらべったいものをそーっとそーっと運んでいる様な作品だ」と。
みんなでゴールまで大事に大事に運びます。

なるほど、そんな感じがジンジン伝わった。
適材適所のキャスティングを、いい具合に熟れさせて舞台に乗せてる。
なかなかできないことですよ。
アニメの脚本を書いているという作・演出の高木さん。
ちょっと観てみよう。


小劇場界のアフロディーテ、秋澤弥里嬢はフェロモン垂れ流し。
なんだ、ありゃ。エロすぎるわ。
中学生男子に見せたらいかん。
『めぞん一刻』舞台版をやるときには朱美さん役をやっていただきたい。
ぜひシミーズ姿でウロウロしていただきたい。

杉木さん(コタ)は卑屈でゲスで粗野な雰囲気がとてもよくハマってらっしゃる。
あ、褒めてますよ。非常に。
丸刈り頭のコタさんにはだるま役をやっていただきたい。
なめだるま親方。


ふー。
今日もいい舞台観たな。

 

World Music Bazar


夜、お友だちのアコーディオニスト/ピアニストの佐々木憲さんが企画した『World Music Bazar』に誘われ行ってきたよ。


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2月21日木曜日、吉祥寺のスターパインズカフェにて2バンドでのライブをやります。
アラブ・オリエンタル・ジプシーなどの欧州民族音楽テイスト溢れるバンド同士の対バン、楽しみです。
僕はポロネッツでピアノとアコーディオンを。今回はダンサーも入っての5人編成。
この機会にぜひ、お越しください。

Polonets(ポロネッツ)
テディ熊谷[Sax], 佐々木憲[Pf,Acc], 藤巻良康[Ba], 坪根剛介[Dr,Per], NONO[Dance]

Libera Cielo(リベラシエロ)
閔賢基[Vln], 加茂栄吾[Tp,F.Hr], 三浦咲[Mar], ポール・ドロシュ[Gt], 安藤亮輔[Ba], 藤野由佳[Acc], ふーちん[Dr,Per]


同い年で、ピアノ教師の母親の影響で小さな頃からピアノを習っていて、ファミコンではなくMSXで遊んでた、というコアな共通項で一気に距離の縮まった佐々木さん。
バンド編成でのライブを聴くのははじめて。

まずはLibera Cieloから。
スペイン語で「自由な空」という、7人編成のバンド。
スペイン風の、熱く乾いた風が吹き抜ける感じのサウンド。かっこいいな。
マリンバの音ってなんであんなに気持ちいいんでしょうね。

そして休憩をはさんでPolonets。
妖艶なベリーダンスの踊り子さんが出てきたというのもあって、空気は一気にアラビアンの風に。
でも曲ごとに色合いをかえて、世界旅行の趣き。
タンバリンの超絶テクニックがすごかったよ。
そして佐々木さんの音楽性の深さと豊かさをあらため垣間みる。
ジャズナンバーも聴いてみたいよ。

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アンコールでは両バンド入り乱れてのセッション。
ステージもギッチギチ。ツインアコーディオンてのもはじめてみたよ。
流浪の楽隊という感じで大いにもりあがり、大団円。
まさにワールドミュージックバザール。

やー、すげえ楽しかった!
すっっげえ、楽しかった!!!
スターパインズカフェの、洞窟のような雰囲気ともまた合っていて素敵。心地よい。

心の内側にヒタヒタ満ちている、音楽やりたい欲と旅行に行きたい欲が思いっきり刺激されてしまい、ちょっと困る。
ふううう。


どこ行こうかな。
まずはスペインに行って、ポルトガルからジブラルタル海峡渡ってモロッコに抜けてみようか。

 

下北沢演劇祭


バーテン修行、3日目。

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本日のつまみは、にんじんサラダ。
1 にんじんを短冊状に切って、塩をもんでザルにあけ、しんなりするくらいまで放置。
2 にんじんを少ししぼって水気を切り、輪切りにしたオリーブとツナ缶を汁ごと混ぜる。
3 オリーブオイル・塩コショウ・レモン果汁と、クミンシードといっしょによく和える。
4 しばらく置いて味がなじんだらできあがり。

簡単で美味いんす。
にんじんのシャキシャキ感、クミンシードの香りとレモンの酸味がイイ感じ。パンにはさんでもおいしいよ。
オイル漬けのツナ缶を使う場合は、オリーブオイルを控えめに。


早めに下北沢に行って、何かしら晩めし食べてから開店準備しようと思っていたけど、どえらく道に迷ってしまってギリギリに。
ローソンで菓子パンとからあげくん買ってあわてて腹につめる。
ホント、自分の方向感覚のなさにはびっくりするよ。地図見てもわかんねえんだよ。

今日はロリータ男爵『Dr.ナース』@駅前劇場の千穐楽を観たお客さんや、鵺的『幻戯』@「劇」小劇場の初日を観たお客さんなどがいらしてくれまして。

下北沢演劇祭@BUDOKAN。

でも舞台の話よりも、あちらこちらで恋の話に花が咲く。
お酒がすすんでイイ調子になっていくさまを、カウンターの内側からニヨニヨしながら見守るの、とても楽しい。

終電前くらいでいったんお客さんの波が引いて、しばらくひとりの店内でにんじんサラダつまみながら好きな音楽流してボンヤリする。
この時間、けっこう悪くないね。
しばらくしたところで、演劇ウォッチャーの常連さんがやってきてくれて、いまオススメの劇団のことや、こないだ観た舞台の感想など、いろいろお芝居の話を聞きながら下北沢の夜は更けていきました。


来週はどんなつまみを作ろうか。
あ、ちなみにですね。
来週27日の水曜日、わたくし37歳の誕生日なんスよね。幸か不幸か。

みんな遊びに来てくれたらいいんじゃないか。
「一杯おごるよ」と言われたら断れない男だよ。

 

髑髏城の七人


友だちから「チケットがあるんだけど、一緒に行かない?」と誘われ、観に行ってまいりました。

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天正十八年。
織田信長亡き後、天下統一は豊臣秀吉によってなされようとしていた。
しかしそれに抗う一人の男が関東に存在した。
それは、漆黒の髑髏城に潜む武装集団≪関東髑髏党≫を束ね、自らを"天魔王"(森山未來)と名乗る、かつて信長に仕えた男であった。
血を流すことを厭わず、もはや狂人と化した天魔王率いる関東髑髏党に追われていた女を行きがかりから助けた捨之介(小栗旬)は、女を匿ってくれるという色里で無界屋蘭兵衛(早乙女太一)に出会う。
奇妙な縁に操られ、関東に集まり始める者たち。
捨之助と蘭兵衛が共に抱える過去、そして天魔王とのつながりが明らかになる時、天魔王の悪しき野望も明らかになろうとしていた。
全てを覚悟した捨之介は天魔王を止めるため、たった七人で二万の兵で囲われた髑髏城を攻め落とすことを決意するのだった。

18歳で上京して舞台をはじめて、ずいぶん長いこと経ちまして。
新潟の田舎町で育ったもので、ほとんど舞台を観たことはなかったのですけど、実際に自分で舞台をやるようになってからいろいろ観に行くようになりました。
面白い舞台も、そうでもない舞台もたくさん観てきたのですが、実は劇団☆新感線の舞台は観たことがなかったのですね。恥ずかしながら。
食わず嫌いしてきたわけでも、避けてきたわけでもなんでもないし、観てみたいなと思ってはいたのですけれど、ホントなぜか。

しかしこうしてゲキ×シネという形ではじめて体験した、新感線の代表作『髑髏城の七人』。

ど真ん中、豪速球の爆音エンターテイメントに思いっきりブン殴られました。

うっっっっっわー。
スッッッッッッッッゲェ!!!

超おもしれえ!

もう、艶とケレン味満載の登場人物たち。
ひとりひとりのキャラクターにそれぞれちゃんとフォーカスを当てて見どころ満載なのですけど、なかでもちょっとしたご縁で知り合い、何度かお酒の席でご一緒させてもらっている、磯野慎吾さんのキャラクターが何ともすばらしく味わい深い。泣かせるんだ、あの役。
小池栄子さんのマシンガンが似合うさまにしびれた。
千葉哲也さんもかっこよかったなァ。

あと、去年くらいから殺陣を習うようになって、なんとなく今までだったら気づかなかったところを観るようになったのだけど、早乙女太一さんの殺陣さばきの凄さにうなる。
上映前のトークイベントで、脚本家の中島かずきさんが「早乙女くんは刀を抱いて産まれてきたようなもんですからね」と言っていたのもなるほど納得。




「もともと舞台は舞台で楽しむもの」というアタマがあり、それを映画館で観るのって正直どうなの? と懐疑的な気持ちが少なからずあったのですけど、ゲキ×シネはとてもイイですね。
画面から汗と息づかいが伝わってきたよ。
大きな劇場のうしろの席ではなかなか気づかないような、繊細な表情や細かい動きなんかも、スクリーンで観られるというのはなかなか素晴らしいす。
新感線だからこそ、このゲキ×シネに向いているというのはあるのかもしれないけど、いろんな舞台をこういうスタイルで観てみたいな、とも思う。

そして新感線をこれまで観てこなかったことを激しく後悔し、「次の公演は絶対観る!」と強く思ったわけだからな実際。
映像と舞台のしあわせな関係じゃないか。

はーあ。
ふーうう。

ちょっくら木刀もって素振りしてくる!

 

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