こちら皿の上警察〜米泥棒捜査会議〜

所属事務所・ECHOES日本人部の、料理好き仲間の泉光典くん・内田龍くんといっしょに、いろいろ料理をふるまっておもてなしをするユニット「皿の上警察」。
昨年暮れの第1回目の"捜査会議"を開催し、その後の反省会にて「次は米泥棒を取り締まろう」ということが決まりまして。

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この日に向けてBUDOKANやら酒房山にょでいろんな人に「コレがあったらぐいぐい白めしがすすむね、というおかずってなんですか?」と聞き込み調査をしたりしていました。

いよいよ日程が決まり、前回はありがたいことですがちょっと窮屈すぎるくらいお客さんが集まったので、今回は昼の会議と夜の会議の2部制に分けて開催することに。


数日前からいろいろ仕込みやら買い出しなどをして、当日は朝9時くらいから会場入りして準備。
前回に比べると、台所に立ったときのお互いの立ち振る舞いもなんとなくわかるようになったので、「内田くん梅干し分けて」「泉さん、ネギ余ってるんだけど使います?」などといろいろ連携もスムーズになってまいりました。

そして「こちら皿の上警察〜米泥棒捜査会議」昼の部は13時からスタート。
今回、3人の刑事と捜査員たちが連行してきた"容疑者"のリストは以下のとおり。



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[内田刑事]
・内田家の梅干しとちりめんの練り合わせ
・白ごはん用きんぴら
・卵黄の味噌漬け&醤油漬け
・ワラサのヅケのユッケ風
・ヒラメのヅケのわさび漬け和え
・和牛と新玉葱のゼリー寄せ
・鵜沼家の酢大根

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[泉刑事]
・ご飯にかける半熟卵とカリカリベーコンのソース トリュフオイルとともに
・特製煮豚のごはんのお供仕立て
・鮪のカマ焼きで作るごはんのお供
・肝と塩だけで仕込んだ自家製塩辛
・濱乃雲丹醤(はまの うにひしお)
・あら汁

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[山崎刑事]
・サッと作れる炒り豆腐
・油揚げ鍋
・かんたんキーマそぼろ
・アボカドなめ茸梅肉和え
・大葉の醤油漬け
・生わさび
・めしどろぼ漬け
・青唐辛子味噌

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[山内捜査員]
・錦松梅
・すが野のぶっかけおかず生姜 たまり醤油風味
・浅草今半 牛肉やわらか煮
・畑のキャビア とんぶり
・四万十川 青さのり佃煮
・大葉みそ
・金沢らー油
・元祖宇都宮 ご飯にかけるギョーザ
・中華街の旨味搾菜
・炙りとろシーチキン

[鈴木捜査員]
・ままかり酢漬け
・イナゴの佃煮

[信國捜査員]
・ゆかり
・さばの味噌煮ふりかけ
・肉じゃがふりかけ
・納豆ふりかけ
・じゃがバターふりかけ
・さるかに合戦


今回の写真は、先日のECHOESカメラ部でカメラの面白さに目覚めた杉木隆幸捜査官が、記録係としてイイ写真をたくさん撮ってくれたものを拝借しました。


ひとつひとつにコメントをしたいところだけど、さすがに膨大な報告書になってしまうので泣く泣く割愛しますが、内田刑事はヅケ系が多いですね。
泉刑事は高級感あふれる感じ。

わたくしの連行してきた容疑者たちは、基本的に誰でも簡単に作れる&お安くできるものを中心にしてみました。
ざっくりと紹介を。

・サッと作れるいり豆腐
木綿豆腐をちぎってザルにあげて水気を切り、フライパンにごま油を熱して豆腐を炒め、だし醤油orめんつゆで炒めて、溶き卵をからめてできあがり。今回は広島みやげの牡蠣醤油で作りました。お好みで一味唐辛子を振って。

・油揚げ鍋
なにを作ろうか考えていたとき、こんなネットの記事を見つけまして。
ここで優勝していたものをちょっと作ってみたくなって作りました。
土鍋に昆布で出汁をとり、切った油揚げを入れて煮て、ポン酢でいただくというすこぶるシンプルなもの。
手間と時間をかけた泉刑事や内田刑事とのコントラストとして、こんなものもいいかな、と。

・かんたんキーマそぼろ
玉ねぎをにんにくと生姜できつね色になるまで炒めたところに鶏挽肉を投入し、火が通らないうちにカレー粉をまぶしてトマト缶を入れ、水分がとんだら醤油・ウスターソース・塩コショウで味を整え、白ごまを入れてできあがり、の簡単キーマカレー。
クミンシードを入れるとグッと味わいが深まります。

・アボカドなめ茸梅肉和え
さいの目に切ったアボカドと、なめ茸とたたいた梅肉を和えたらできあがりの簡単つまみ。
これもよく作るのですが、なめ茸も簡単に作れると聞いたので今回は自家製にしてみたよ。
いしづきの部分を切り落として3等分に切ったえのき茸と、醤油・みりんを等倍で、日本酒と砂糖、お好みで輪切りにした鷹の爪を入れてしばらく煮るだけ。
瓶詰めのものも安いけど、自作だともっと安上がりで大量に作れました。
ちなみに今回の梅肉は内田家の自家製のもの。
美味しいわけだよ。

・大葉の醤油漬け
韓国ではエゴマの葉の醤油漬けを「めし泥棒」と呼ぶ、という話をこれまた友だちから聞いたもので、作ってみようと思ったのですけどエゴマの葉が手に入らなかったので、大葉で代用。
ザッと洗って水気を拭いた大葉を、タッパーに並べ、すりおろした生姜・にんにくと醤油・ごま油・コチュジャンor豆板醤・砂糖・白ごまを合わせたタレを大葉の上からまんべんなくまわしかけ、また大葉を並べてタレをかけ、また並べてタレをかけ......というのをくりかえして、冷蔵庫でしばらく寝かせてできあがり、という。
ちょっと濃いめの味つけになってしまいましたが、なるほどこれは米すすむわ。

・生わさび
近所の八百屋で安くなっていたわさびをすりおろし。おろしたてのわさびは大変香りがよいけれど辛すぎず、炊きたてごはんに乗せてちょっとお醤油垂らすだけでもうたまらん味わいでした。
他の容疑者との組み合わせで食べてもまたたまらん。

・めしどろぼ漬け/青とうがらし味噌
前者は近所のスーパーで見つけてネーミングにやられて連行しました。
後者は実家に帰ったときの道の駅で買ったもの。
どちらも米に合いますな。おにぎりにしてもいい。


泉刑事が寸胴鍋に大量に作ったあら汁と、10合炊きの炊飯器を並べて、あとはズラリ並んだ容疑者を思い思いにとって味比べしながら集まった人たちで会話を楽しむ、という捜査会議。
「自分はこいつが気になった」という容疑者をひとり3つずつ選んで投票し、最終的に投票するという形式。

結果は......

泉刑事の「特製煮豚のごはんのお供仕立て」が15票を集め、米泥棒No.1に選ばれました。
5時間かけて豚を煮込んだという、泉刑事の執念のたまものですね。

その他は「ワラサのヅケのユッケ風」「和牛と新玉葱のゼリー寄せ」「鮪のカマ焼きで作るごはんのお供」「かんたんキーマそぼろ」「アボカドなめ茸梅肉和え」あたりが僅差。
これが面白いもので、昼に票を集めたものが夜には伸びなかったり、その逆もあったり。
18時からの夜の部のほうが、やっぱりお酒を呑む人が多かったからか。


持ち込み系のやつもコメントできませんでしたが、よりどりみどりで非常に楽しかった。
なかなかこうして一同に揃えて食べ比べできる機会もないですからね。
泉刑事持ち込みの「雲丹醤」というのが、液状のウニエキスみたいな代物だったのですが、ちょっとかけるだけですっかりウニですごかった。
イナゴの佃煮もインパクトあったなぁ。


スタッフも合わせて昼夜合計で40人強くらいが会議に参加したのですが、1日で米60合がペロッとなくなるという。10合炊きの炊飯器3台がフル回転。


米泥棒、おそるべしだったよ......。


次はどんな捜査会議にいたしましょうか。
我々皿の上警察一同、みなさんの胃袋の治安を守っていく所存でございます。

またぜひ捜査にご協力くださいませ。

 





取り調べの夜

内田・泉・山崎のエコーズ料理好き俳優3人がもてなすユニット「こちら皿の上警察」。

去年の暮れに開催した第一回の反省会と、いろいろお手伝いしてもらった人たちへのねぎらいを兼ねての新年会をやろう、という話になりまして。

泉刑事がお正月に帰省したときに「これがあったらお茶漬けが何杯でもイケる」「中毒性としてはヘロインの9倍」という、さばのへしこをお土産でもってきたというので、んじゃそれみんなで食べよう、ということに。


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そして先日、魚突きに行った内田刑事。
幻の魚・クエを友だちが穫ったということで、ちょっと信じがたい写真が送られてきました。

九絵(クエ)
20kg以上の個体になると1kg、1万円以上の高値がつく高級魚。
フグより美味いと言われている。
もはや幻の魚。

と、興奮気味に解説してくれた泉刑事曰く「これは新聞記事になってもおかしくないレベル」「このサイズだったら30万円くらいになるんじゃないか」。

それをおすそわけで1ブロックいただいてきたということで、幻の高級魚はどんな味なのかしらとワクワクしながら内田刑事のおうちにお邪魔し、仕込みを手伝いながら皆が集まるのを待つ。


ええと。
もう、どこから書いたらいいもんかなというくらいに、次から次へといろんな旨いものが出てきましてナ。

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まずはイシガキダイの刺身2種盛りからはじまり、クエの胃袋を細く切って湯がいたものを、なめろうみたいな感じで味噌と薬味で和えたもの。
そしてクエの肝と皮を串に刺して塩焼きに。
プリップリの身は、シンプルに鍋と唐揚げにしていただき。
さらにウロコも唐揚げにして塩振ってキュッとレモンをしぼって。

う......うめえ。
うめええええええ!!!

肝や胃袋のみならずウロコまで、余すところなくいただいてやろうという内田刑事の執念たるや、という感じですよ。
どれも本当に美味かった。
プリップリの身と、皮の下のツルッとしたゼラチン状の部分がなんともたまらぬ旨味。
これを、アカウオのヒレを炙ったヒレ酒といっしょにいただくわけで。

なんたる至福......!


そして後半には泉刑事が、豚肩ロースのソテーを焼き、ガーリックソースの濃厚な旨味にうなり。
〆にさばのへしこをお茶漬けでいただきました。
ヘロインの9倍の中毒性......なるほどだよ。
ひとしきりいろんなものを食べたあと、もうそんなに食えないよと思っていたはずなのに、サラサラッといく箸がぜんぜん止まりませんでした。
思いだしながら日記を書いているこの今、口のなかにひろがるあの旨味を反芻しています。

デザートには差し入れの堂島ロールと、りんごのようなさわやかな味わいのバナナ・バナップル。


なんとも贅沢な宴でありました。
ああああ。


そんな取り調べの夜は3時すぎまで続いたのでした。
そして次回の皿の上警察はどうしようか、という会議。
いろんな人がそれぞれの「ごはんに合うものNo.1」を持ち寄り、食べくらべるという宴をやることに。


皿の上警察、次は米泥棒を取り締まります。
われわれの捜査にぜひご協力ください。

 

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